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『ビルマVJ 消された革命』
配 給 : | 東風 |
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公開日: | 2010年05月15日 |
映画館: | シアター・イメージフォーラムにてロードショー、他全国順次公開 |
“ジョシュア”/ビルマ人の青年。〈ビルマ民主の声〉のVJ |
監督・脚本:アンダース・オステルガルド
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2008/デンマーク/ヴィスタビジョン/85分/HD |
軍事政権の情報統制に抗い、命がけでビルマの現状を世界に配信し続けるビデオジャーナリスト(VJ)たち。
2007年9月、世界中のトップニュースがビルマ(ミャンマー)の反政府デモの様子を報じた。それまで沈黙を続けていた約2000人の僧侶たちが立ち上がると、やがて路上は10万人の人々で埋め尽くされたー。世界はその瞬間、この国の未来を信じた。
軍事政権による独裁が続くビルマ。民主化運動の指導者 アウン・サン・スー・チー氏は、いまなお自宅軟禁中のままだ。苛烈な情報統制によって外国人ジャーナリストの入国が厳しく制限されているため、私たちがビルマ国内で何が起こっているのかを知ることは困難を極める。しかし、それにも関わらず、世界中のニュースが2007年9月の大規模な反政府デモの様子を報じることができたのはなぜか? その陰には、拷問や投獄のリスクをかえりみず、情報を発信し続ける〈ビルマ民主の声〉〔*1〕のVJたちの活動があった。隠し撮りされた映像は密かに国外へ送られ、無償で国際的なメディアに配信される。豪雨の中、アウン・サン・スー・チー氏を訪ねるデモ隊の姿や、国軍兵士によって日本人ジャーナリスト長井健司氏が射殺される瞬間を世界中に配信したのも彼らである。映像の力によって閉ざされた自国の未来を切り開こうとする若者たち。ジャーナリズムの精神を体現する彼らの活動は、今この瞬間も続いている。
デンマーク人映画監督 アンダース・オステルガルドは、VJたちが撮影した断片的なニュース映像を再構築し〔*2〕、彼らの文字通り命がけの体験そのものを私たちに伝えようと試みた。そして、膨大な映像がはじめて一編の大きな物語へと紡がれたのだ。私たちは、主人公、自ら“ジョシュア”と名乗る若きVJと「心のレンズ」を共有し、彼が感じた恐怖や怒り、そして希望とともに、ビルマという国の現状を理解してゆく。矢継ぎ早に飛び込んでくる最新情報。走りながら撮影されたスリリングな映像は、画面全体が大きく揺れ、現場の緊張と恐怖を私たちに体感させる。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門では惜しくも「ザ・コーヴ」に敗れたものの、ベルリン、サンダンスほか150の映画祭で上映され、40以上もの国際的な賞を受賞。ビースティー・ボーイズが米国での配給に名乗りをあげ、ジェーン・バーキンやリチャード・ギアなど多くの著名人から賛辞が寄せられている。
〔*1〕<ビルマ民主の声> 英語公式名称はThe Democratic Voice of Burma(DVB)。ノルウェーのオスロに本部を置く在外ビルマ人活動家による民主化支援メディア。1992年からビルマに向け短波放送を開始し、2005年から衛星を使ったテレビ放送を実施している。
〔*2〕本作は、その映像の多くが現地に潜入したVJたちによって実際に撮影された素材によって構成されている。また、いくつかの再現映像も使用されている。なぜなら、実名や地名、実際に起きた出来事の詳細を公表することは、関係者たちの身に危険を及ぼすことになりかねないからである。それらの再現映像は、実際の現場を直接体験した当事者たちとの緊密な協力関係によって撮影されたものである。