太古の昔、人間は月と、恐ろしい約束を交わしてしまった―。
19世紀末の英国。兄が行方不明であるとの知らせに、人気俳優のローレンスは、生家のタルボット城があるブラックムーアの村へ帰郷する。到着早々、無残に切り裂かれた兄の遺体と対面することになったローレンスは、怒りと悲しみを胸に犯人の捜索を開始する。だが、志半ばにして"ウルフマン"の襲撃を受けた彼は、自らもウルフマンに変貌し、満月の夜に残虐行為を働くようになってしまう。
自分自身の変化にローレンスが最初に気づいたのは、看病にあたってくれた兄の婚約者グエンに対して、野生の衝動がうずくのを感じたときだった。危機感にかられた彼は、満月の日が来る前に、ロンドンへ帰るようグエンをうながすのだった。
そんなローレンスをわざと凶行に走らせたうえで、冷酷に警察へ引き渡す父ジョン。彼の不可解な行動の陰には、25年前の妻の死にまつわる恐るべき秘密が隠されていた・・・。