過酷で、不幸な人生。でもそれは周りが勝手な価値観で見た人生。
クレアリース・プレシャス・ジョーンズは、16歳の女の子。「愛しい、貴い」という意味を持つミドルネームの”プレシャス”は愛情溢れる名前だが、彼女の生きている現実はそんな名前とは裏腹な、過酷なものだった・・・
1987年のハーレム。16歳の少女プレシャスのお腹の中には子供がいる。父親は、自分の父。母親からは虐待を受けている。プレシャスは残酷な現実から逃避するかのように、いつもキレイになってもてはやされる自分を妄想する。本当の自分はとんでもなく太っていて、文字も読めないから・・・。
プレシャスはある日、フリースクールに通うことになる。初めは反発していた彼女だったが、ここで初めて「学ぶ」ことを始めるのだった。自分と同じような境遇にある仲間たち、そして辛抱強く、プレシャスを理解しようとするレイン先生。それをきっかけにプレシャスは次第に強く、美しく変化していくー。