それはザ・ビートルズの幻の貴重盤が紛失したことから始まった……。
事件の舞台は、シックな英国調でまとめられたビートルズ・バー「リボルバー」。そのオープニング・パーティのメインイベントは、この日のためにと、有名芸能プロの社長でもあるバーのオーナーが集めたザ・ビートルズのLP14枚のコレクターズ・アイテムを飾ったディスプレイの除幕式だった。ところが最も貴重盤とされる「ブッチャー・カバー」が消えていた。犯人らしき人物は現行犯で捕まるが、オーナーはショックのあまり倒れ、2ヵ月後に死亡してしまう。
それから1年後、今度は小説で新人賞候補となった「リボルバー」のマスターのために、店の常連客が一同に会した。そこに探偵を名乗るひとりの男が現れる。彼の口から語られた“もうひとつの物語”は、店に集った14人の常連客の本当の姿を浮かび上がらせ、1年前の事件の真相を暴いてゆく……。