生きて、還るー
ベルリン・オリンピック開幕直前の1936年夏。ナチス政府は、国家の優越性を世界に誇示するため、アルプスの名峰”アイガー”の北壁をドイツ人が初登頂することを強く望んでいた。大いなる期待を背負って、トニーとアンディは恐るべき<殺人の壁>に挑む。だが、彼らの前にヴィリーとエディというオーストリアの強敵が立ちはだかる。トニーのかつての恋人であり、いまはベルリンでジャーナリストをしているルイーゼも、世紀の瞬間を見届けるために現地入りする。だが、四人のクライマーを待っていたのはあまりにも過酷な運命だった…。