夏樹は大型書店に勤める書店員。夏樹はポップ(お勧め本の紹介カード)を書くのが得意である。彼女の書くポップは、なぜかひとを惹きつけ、彼女の作った本棚には、さまざまなひとが集まってくる。ある日、彼女の本棚で万引き事件が起こる。夏樹が犯人として捕まえたのは、中年の女性だった。いつもさびしげに書店で時間をつぶしていた、つつましやかな主婦。しかし、盗まれたはずの本はなく、夏樹の間違いだったことがわかる。
謝罪のため訪れた家庭で、夏樹は高校生の光治と出会う。光治は、暴力を振るう大学教授の父、万引きを繰り返す母、不登校の妹という崩壊寸前の家庭のなかで、たったひとりで、家族を立て直そうとしていた。そのまっすぐな姿に夏樹は心を打たれる。
夏樹と光治には共通する部分があった。それは「本」を支えに生きていること。夏樹には忘れたい過去があった。その傷を忘れるために、手にしたのが数々の「本」だった。光治もまた、家庭でも学校でも居場所を見つけられずにいた。そんな光治を支えているのも、「本」だったのだ。ふたりは急速に親しくなるのだったが・・・。
新着映画情報
佐藤江梨子 |
監督・脚本:山田あかね |
2009/日本/ヴィスタビジョン/119分 |
あなたの人生を変える本、並べています!
「すべては海になる」は、山田あかねが自らの原作小説を脚本に書き下ろし、初監督に挑んだ作品。書店を舞台に、恋愛を繰り返しながらも本当の愛を見つけられない27歳の夏樹と、まだ、一度も恋をしたことのない17歳の光治が出会う、ひりひりとした、切実な愛の物語。
夏樹には、「腑抜けども、悲しみのあいをみせろ」でカンヌ国際映画祭批評家週間をわかせた佐藤江梨子、ピュアな少年、光治には、「誰も知らない」でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を日本人初史上最年少で受賞した柳楽優弥。
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