![ストーリー](http://www.movienet.co.jp/images/movie_icon_story.gif)
夏樹は大型書店に勤める書店員。夏樹はポップ(お勧め本の紹介カード)を書くのが得意である。彼女の書くポップは、なぜかひとを惹きつけ、彼女の作った本棚には、さまざまなひとが集まってくる。ある日、彼女の本棚で万引き事件が起こる。夏樹が犯人として捕まえたのは、中年の女性だった。いつもさびしげに書店で時間をつぶしていた、つつましやかな主婦。しかし、盗まれたはずの本はなく、夏樹の間違いだったことがわかる。
謝罪のため訪れた家庭で、夏樹は高校生の光治と出会う。光治は、暴力を振るう大学教授の父、万引きを繰り返す母、不登校の妹という崩壊寸前の家庭のなかで、たったひとりで、家族を立て直そうとしていた。そのまっすぐな姿に夏樹は心を打たれる。
夏樹と光治には共通する部分があった。それは「本」を支えに生きていること。夏樹には忘れたい過去があった。その傷を忘れるために、手にしたのが数々の「本」だった。光治もまた、家庭でも学校でも居場所を見つけられずにいた。そんな光治を支えているのも、「本」だったのだ。ふたりは急速に親しくなるのだったが・・・。