東京の郊外で、夫亡きあと小さな薬局を営み、一人娘の小春を育ててきた姉・吟子。大阪で何ひとつ成し遂げないまま歳を重ねてしまった弟・鉄郎。音信不通だった鉄郎が突然、小春の結婚式に現れる。以前も吟子の夫の十三回忌で、酔っ払い大暴れした鉄郎。今日は一滴も飲まないと約束するが、酒を目の前にした鉄郎は我慢できず、酔っぱらって大騒ぎ、披露宴を台無しにしてしまう。激怒する身内の中、鉄郎をかばうのは吟子だけだったが、後日、ある出来事がきっかけで、吟子は鉄郎に絶縁を言い渡してしまう。肩を落として出ていく鉄郎の背中に不吉な予感を覚える吟子だったが......。
新着映画情報
吉永小百合 |
監督:山田洋次
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2010/日本/シネマスコープ/ドルビーデジタル/126分 |
現代を生きる"家族"に寄り添いながら、 その希望を描く。
「家族」、「幸福の黄色いハンカチ」、「息子」、「学校」シリーズ、そして「男はつらいよ」シリーズで、その時代、時代の日本の家族を描き続けてきた山田洋次監督。いつの時代も変わらない家族の絆を描く一方、社会が抱える問題にも鋭いまなざしを向けてきた。「十五才 学校IV」以来、10年ぶりの現代劇となる最新作「おとうと」でも”看取り”や”ターミナルケア”といった現代的な問題に触れる。
本作は、東京で堅実に生きてきた姉と、大阪で何かと問題ばかりを起こしてきた弟との、再会と別れを優しく切々と謳いあげる、笑いと涙にあふれた物語。姉の吟子に吉永小百合、弟の鉄郎には笑福亭鶴瓶。吟子の娘、小春には、今や日本映画界になくてはならない若手女優となったの蒼井優。
(c)2010「おとうと」製作委員会