遊ぶ金欲しさに空き巣に入った家で、居合わせたカップルを衝動的に殺害してしまった青年、淳。一審で死刑を宣告された彼は、弁護士が提出した控訴を自ら取り下げ、そのまま死刑囚として投獄される。独房の彼のもとに突如、川原薫と名乗る美しい女性が面会に訪れる。薫は淳が殺した男性の婚約者だった。淳が忍び込み殺人を犯したのは、その男性と別の女の逢引の現場だったのである。婚約者を殺した憎むべき男であると共に、婚約者の不実を暴き、裁いた男。薫はなぜか、そんな両義的な存在である淳に惹かれはじめ、淳もまた薫に惹かれてゆく。肌と肌との接触が絶望的に断たれた状況のなか、求めあうふたりは「秘密の通信」を開始するのだったー。
新着映画情報
尾野真千子 |
監督:御徒町凧 |
2009/日本/91分 |
「あなたの脳内純愛が、ここから始まる。」ーー脳科学者 茂木健一郎
殺人を犯した死刑囚と、その被害者の婚約者だった女の”究極の純愛”を描いた本作「真幸くあらば」(読み:マサキクアラバ)。主演を務めるのは、カンヌ映画祭でグランプリを受賞した「もがりの森」、「クライマーズ・ハイ」(07)等でその存在感を発揮している尾野真千子と、モデルとして「Men’s non-no」、「POPEYE」、「VOGUE international」等の誌面を飾ってきた、今作が映画初主演となる久保田将至。共演は、弁護士役の佐野史郎、死刑囚役のミッキー・カーチス、テリー伊藤といった個性派・ベテランのキャストが脇を固めている。
本作で監督に抜擢されたのは詩人・御徒町凧。御徒町は森山直太朗のほとんどの楽曲の歌詞を共作してきた、森山の盟友ともいえる存在だが、森山も本作のテーマ曲やエンディング曲を提供するだけでなく、自身初の音楽監督として、静謐(せいひつ)さを湛えた映像を彩る効果的な音世界を作り上げている。
(c)2009 「真幸くあらば」製作委員会