アメリカ西部、ラスヴェガスとロサンゼルスを結ぶ長距離道路が通過する砂漠のど真ん中。ドイツの寂れた田舎町ローゼンハイムから旅行にやってきた夫婦は喧嘩の果てに、妻のジャスミンは夫を残し一人で車を降りた。砂漠には不似合いのハイヒールと大きなトランクを引きずって歩き続けるジャスミン。
そこからそう遠くはない、道路脇にたたずむ寂れたカフェ兼モーテル兼ガス・ステーション。そこでは女主人のブレンダが家族にもお客にも不機嫌に怒鳴り散らし、亭主さえも追い出したところだった。砂漠を歩き続けたジャスミンがやっとの思いで、その店にたどり着く。看板に書かれた文字は“BAGDAD CAFE”。ここから2人の女性の物語が始まる。
たどたどしい英語で部屋を借りたいと申し出るジャスミンに、けんか腰で応対するブレンダ。この店に集まる人々は、ピアノで一日中バッハを弾き続け自分の赤ん坊の世話もしないブレンダの息子、遊び回っているばかりの娘、働かないバーテンに加え、常連客はといえば、誰とも話をしない女性タトゥー職人、ハリウッドから来た画家、ヒッチハイカー、長距離運転の途中で休憩に立寄る一日数人のトラックドライバーたち・・・。変わり者だらけが集まった、いつも気だるいムードが漂うバグダッド・カフェ。 だが、ジャスミンが現れてから、彼女をとりまく皆の心は癒されはじめるのだった。あの不機嫌なブレンダさえも。そして二人はいつしか離れがたい思いに結ばれていくのだが・・・。
新着映画情報
『バグダッド・カフェ 〔ニュー・ディレクターズ・カット版〕』
配 給 : | IMAGICA TV |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2009年12月05日 |
映画館: | 渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー |
マリアンネ・ゼーゲブレヒト |
監督:パーシー・アドロン |
2008/ドイツ/ヴィスタビジョン/ステレオ/108分/英語 (オリジナル版 1987年) |
不朽の名曲『コーリング・ユー』とともに、砂漠の中に舞い降りた天使 今も多くの映画ファンを魅了し続けている80年代の傑作を再びスクリーンで!
1987年に製作された「バグダッド・カフェ」〔オリジナル版=91分〕。アメリカ西部、モハーヴェ砂漠のモーテルにたむろする個性的な人々と、ドイツから来た旅行者ジャスミンの触れ合いが起こす小さな奇跡は、まるで自分もそこにいたかのように多くの人々の胸に刻まれ、斬新な映像と美しい音楽の魅力もあいまって、世界中に熱狂的なファンを生み出した。
日本では「レインマン」「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」「ニュー・シネマ・パラダイス」ら多くのヒット作が並んだ1989年に公開され、全国で興行収入3億円の大ヒットを記録、当時のミニシアター・ブームを代表する一作となる。
サビのフレーズが耳から離れない主題歌『コーリング・ユー』はアカデミー賞最優秀主題歌賞にノミネートされ、その後、80組を超えるアーティストがカバーするほどのスタンダード・ナンバーに。
1994年には、オリジナル版よりも長い〔ノーカット版=108分〕が「バグダッド・カフェ〔完全版〕」としてリバイバル上映、新たなファンを呼び込んだ。
そしてオリジナル版公開から20年、この名作を後世に残すべく、パーシー・アドロン監督自らが再編集し全てのカットについて色と構図(トリミング)を新たに調整し直し、最高に美しいバージョンの「バグダッド・カフェ〔ニュー・ディレクターズ・カット版〕」(108分)が日本のスクリーンに登場する。