フランスの小さな田舎町トスト。厳格な修道院で育ったエマは「ボヴァリー夫人」と呼ばれる新しい世界に淡い憧れを抱き、年の離れた町医者のシャルル・ボヴァリーと結婚する。しかし、凡庸な夫との田舎での単調な結婚生活は、エマにとって死ぬほど退屈なものになっていく。徐々に生気を失い、ふさぎこんでいくエマを心配した夫は、新たな町、ヨンヴィルでの開業を決意する。地元の薬剤師オメーの助言を得て、仕事をはじめる夫。オメーは足繁くボヴァリー家を訪れ、シャルルに患者を斡旋した。新たな地で女の子を出産し、新しい生活に希望を見出すエマであったが、彼女の心が満たされることはなかった。
そんな日々を変えたのは青年レオンとの出会いであった。お互いの情熱を分かち合い、強く惹かれる二人だったが、結ばれることのないまま、レオンは勉学のためパリへと旅立ってしまう。レオンに去られ、悲しみに暮れるエマは、ある日、使用人の治療のため訪れてきた裕福なドンファン、ロドルフに出会い、彼との情事に溺れていく。 エマは輝きを取り戻し、ロドルフとの逢瀬に身を焦がしていったが・・・。
新着映画情報
『ボヴァリー夫人』
原題:SPASI I SOKHRANI / MADAME BOVARY
配 給 : | パンドラ |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2009年10月03日 |
映画館: | シアター・イメージフォーラムにてロードショー |
セシル・ゼルヴダキ |
監督:アレクサンドル・ソクーロフ |
1989=2009/ソ連=ロシア/128分/DVカム |
フローベール没後130周年記念ロードショー
「太陽」「エルミタージュ幻想」「チェチェンへ アレクサンドラの旅」など、絵画的で斬新な映像感覚あふれる作品で熱烈なファンを獲得し、世界的に高く評価されているロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督が、フローベール原作『ボヴァリー夫人』のエッセンスを忠実に映画化。独自の解釈で、不吉なエロティシズムを湛えた新たなエマ像を生み出した。本作はソクーロフ監督が20年前に撮ったその映画を、日本公開用に再編集されたもの。
1989年に完成した167分の旧バージョンは、当時のロシア国内の政治変動=ソ連崩壊のために、小規模な公開に終わっていた。フローベール没後130周年にあたる2010年に先駆けて、日本のファンのために監督自身が再編集したディレクターズカット版による公開であり、ソクーロフ自身は「過去は振り返りたくない。新たな版を見てほしい」と語っている。