「いってぇ・・・」
鈍いアタマの痛みに気が付いたら、緊急停止したエレベーターに閉じ込められていた! 非常ボタンは通じないし、携帯電話は電池切れ、泣けど喚けど助けは来ない…。しかも、偶然乗り合わせた3人は、街で出会っても絶対に友達にはなれなさそうな胡散クサイ奴らばかりだ。柄モノのシャツにゴールドのアクセサリーという“如何にも”な恰好をした男は、刑務所帰りだと言うし、バッタみたいな全身黄緑色のジャージに身を包んだ男は相手の過去が見えるという…。そして、黒ずくめで無表情なゴスロリ少女は、イジメを苦にして今から飛降り自殺を図るのだそうだ。
俺はとても焦っていた。家では妊娠中の妻が、今にも子どもが生まれてきそうなお腹を抱えて、俺の帰りを待っている。こんなところで、こんな…浮気相手のマンションのエレベーターの中で止まっている訳には…!
そんな俺を尻目に、ゴスロリ少女が「生まれてくる子どもがかわいそう…」と呟いた。もしも、万が一、エレベーターから出られなかったときのことを考えて、俺は妻への気持ちを少女のボイスレコーダーに遺すことにした。
あれ、ちょっと待てよ。何かおかしくないか? 俺たち、何でこのエレベーターに乗り合わせたんだろう。3人の顔を交互に見つめながら、俺は“或る事”を思い出したのだが…。
新着映画情報
内野聖陽 |
監督:堀部圭亮 |
2009/日本/ヴィスタビジョン/DTSステレオ/105分 |
26万部突破の人気原作に仕掛人・堀部圭亮×個性派俳優が挑む 前代未聞の人間不信エンタテインメント、ここに誕生!
『悪夢のエレベーター』『悪夢のドライブ』『悪夢の観覧車』は、そのシチュエーションとそこで繰り広げられる人間模様が人気を博し、シリーズ累計40万部を突破した木下半太原作のベストセラー小説。中でも単独で26万部の売上げを誇るシリーズ第一弾にしてNo.1小説『悪夢のエレベーター』が、初の映画化となった。メガホンを取るのは、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」(NTV)ほか、人気バラエティ番組で構成作家として活躍し、昨今の邦画界には名バイプレイヤーとして欠かせない存在感を放つ堀部圭亮。「やさぐれぱんだ」で短編監督に挑戦、着実に経験を積み重ね、満を持しての長編監督デビューを果たした。また、初監督の堀部を「アヒルと鴨のコインロッカー」などの脚本を手がけた鈴木謙一がしっかりとサポートしている。ラストでは、タカチャがメロディアスに歌い上げる「AIO〜愛をください〜」が監督のメッセージと重なり合い、静かに私たちの胸に沁み込んでくるー。
(c)2009「悪夢のエレベーター」製作委員会