『縞模様のパジャマの少年』

第二次大戦下のドイツ、　フェンス越しに生まれた禁じられた友情

　「ブラス！」「リトル・ヴォイス」といった感動作で知られるマーク・ハーマン監督が、世界的ベストセラー『縞模様のパジャマの少年』（ジョン・ボイン作）を映画化。戦争という狂気に翻弄される少年たちの、禁じられた友情と悲劇のドラマである。主人公は、強制収容所指揮官を父に持つ８歳の少年ブルーノ。強制収容所に送りこまれたユダヤ人少年シュムエルと出会った彼は、親の目を盗んでフェンス越しの友情を深めていく。滑稽なまでに、ブルーノは自分の周りで起こっていることに何も気づかない。優しく尊敬すべき父親の仕事も、収容所の目的も、そして、シュムエルを待つ運命も…。両親の愛に守られながら、ただ純粋に友を求める彼の世界に、ホロコーストなど存在しない。その無垢ゆえの無知、そして無力さは、やがて思いもよらぬ悲劇を呼ぶ…。

　第二次世界大戦下のドイツ・ベルリン。　８歳のブルーノは、ナチス将校である父親の昇進により、近所に誰も住んでいない殺風景な土地に越してくる。遊び相手もなく退屈しきったブルーノは、ある日、有刺鉄線のフェンスで囲まれた奇妙な＜農場＞を発見する。そのフェンスの向こう側には、ブルーノと同じ年のシュムエルという少年がいた。日中でもなぜか縞模様のパジャマを着て、その瞳はまるで希望を失った老人のようなシュムエルと、ブルーノは次第に心を通わせていくが…。