たった一人の家族である母との夢「歌手になる」という約束を果たすため、高校入学時に単身上京してきた少女、アイ。しかし、現実は厳しく、デビューどころか事務所さえもクビになってしまう。何度も挫折しそうになりながら、なんとか、歌手への道を切り開くために、渋谷でストリートミュージシャンから、活動を始める。 だが、大都会の片隅、誰も立ち止まってくれなかった。孤独な日々が続く中、夢をあきらめそうになりながらも、彼女は、自分を奮い立たせようとひとつの目標を定めた。「路上ライブを1000回やろう」ーと。
2002年春のある日、雨が降ってきたので、アイは渋谷の地下街で歌い始めた。たまたま地下街を歩いてきた青年社長と学生カンファランスのメンバーは、ふと、聞こえてきた歌声に思わず引き寄せられる。これがアイと彼らの運命的な出逢いとなった。
青年社長と学生達の熱心なサポートで、かつてはラジカセでたった一人で歌っていたアイの路上ライブは、“キーボードでの弾き語りスタイル”が確立するまでになった。沢山の通行人が足を止め、さらには少しずつ、固定ファンも生まれ、いつしかアイはその歌声から、”路上の天使”と呼ばれるようになっていた。やがて、アイは、「いつか、渋谷の大きな音楽ホールのステージに立つ」ことを決心する。
その頃、福岡では無理をして娘に仕送りを続けていた母が病に倒れて...。
新着映画情報
(声の出演) |
監督・脚本:西澤昭男 |
2009/日本/ヴィスタビジョン/ドルビーデジタル/118分/アニメ |
路上ライブ開始からわずか1年半で渋谷公会堂のステージにたった、”路上の天使”川嶋あい。これは実話をもとにした”キセキ”の物語。
“路上の天使”と呼ばれたシンガーソングライター、川嶋あい。彼女は「1000回の路上ライブ」、「手売りでのCD発売5000枚」、「渋谷公会堂でのライブ」と、3つの大きな目標を掲げ、渋谷での路上ライブをベースに活動をしていた。生い立ちや、本格デビューするまでの道のりは「本当?作り話じゃないの?」と耳を疑いたくなるようなストーリーである。その川嶋あいの手記『最後の言葉』をもとに、彼女を見出した青年社長や、サポートした学生スタッフらとの青春群像劇として物語を再構築し、友情、愛、ひたむきに生きる姿勢、そして若者たちの情熱―。これらの普遍的なテーマを、観る人の心の琴線に触れる映像作品に昇華させたのが本作「8月のシンフォニー」だ。
(c) 『8月のシンフォニー』製作委員会