街に何かが起これば、彼は颯爽と現場に駆けつける。黒のフェドーラをかぶり、覆面をつけ、赤いネクタイをなびかせてー。彼には超人的な能力があるわけではない。あえて言うなら、彼の武器は「死なない」ということ。殴られても、刺されても、撃たれても、彼は死なない。痛みを全身に引き受けながら、必ず死の淵から立ち上がる。
彼の正体は、世間では死んだと思われている元刑事デニー・コルト。彼は確かに一度死に、そして墓場から甦ったのだ。なぜ甦ったのか、今の自分が何者なのか分からないまま、彼は“スピリット”として、愛する街セントラル・シティを守り続けている。
その日、闇の取引がおこなわれているとの知らせを受け、スピリットが駆けつけたのは、ウォーターフロントの沼地だった。待ち受けていたのは、この街で最も凶悪な犯罪者オクトパス。これまで何度も死闘を繰り広げてきた2人は、お互い死の瀬戸際まで戦うが、やがてスピリットは意識を失い、オクトパスは姿を消した。残されたのは刑事の死体。スピリットも普通なら死んでいてもおかしくないほどの傷を負っていたが、そんなスピリットの体を元に戻すのは、デニー・コルトだった頃の婚約者で優秀な外科医のエレンの役目。彼女は、彼がデニーであることを知らぬままスピリットに激しく惹かれていた。
一方、沼地に近いウォーターフロントの河口では、沈没した貨物船から2つの箱を引き上げようとする女の姿があった。しかし、その箱を狙うもう1つの影...。女は、2つの箱のうち1つを持ち去り、もう1つはオクトパスの腹心の部下シルケンによって秘密のアジトへと運ばれた。
現場にいた女―それが世界を股にかけて暗躍する宝石泥棒サンド・サレフだということが明らかになると、スピリットの心が騒ぐ。サンドは青春時代を共に過ごした初恋の相手。この街で悲劇に見舞われ、二度とここへは戻らないと誓ったはずの彼女がなぜ再び舞い戻ったのか? 彼女もオクトパスとかかわっているのか? 刑事を殺した犯人は?
サンドの手がかりを求めて奔走するスピリットの前に立ちふさがるオクトパスの一味。宿敵オクトパスとの戦いがいよいよ激化していく中、スピリットの驚くべき秘密が明かされていく...。
新着映画情報
『ザ・スピリット』
配 給 : | ワーナー・ブラザース映画 |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2009年06月06日 |
映画館: | 渋谷東急 新宿ミラノ 他、全国ロードショー |
ガブリエル・マクト |
監督・脚本:フランク・ミラー |
2008/アメリカ/シネマスコープ/ドルビーSR、SRD、DTS、SDDS/103分 |
脳髄直撃! 「シン・シティ」「300」のフランク・ミラーが放つ映像の新次元!
「シン・シティ」「300」でグラフィック・ノベルの巨匠フランク・ミラーが見せた映像の新世界ー。大胆なグラフィックの手法をスクリーンに持ち込んだ新映像の衝撃は、この「ザ・スピリット」で新たな次元へと加速する。他の追随を許さないスタイリッシュな世界観、日本の漫画に多大な影響を受けたミラーならではの独自のスタイル、映像的アートにまで高められたコミック表現、そして、モノクロームの色彩に1点うごめく<色>の存在。「シン・シティ」からさらなる進化を遂げたパートカラームービーは、本能レベルを刺激する抗いがたい引力で、ありきたりなリアルを駆逐する。主人公スピリットの象徴とも言うべき<赤>が、バトルにはじけ、エロスになびき、バイオレンスに染まり、ミステリーに絡みつく。
さらに、スピリットを取り巻いて、次から次へと現れるのは、ゴージャス系からインテリ系までありとあらゆるタイプを取り揃えた数珠つなぎの美女たち。スピリットの過去とかかわりを持つセクシーな宝石泥棒にエヴァ・メンデス、オクトパスの右腕で登場のたびにコスチュームを替える冷血な小悪魔にスカーレット・ヨハンソン、生前の婚約者でスピリットの怪我を治す第一人者でもある美しき外科医にサラ・ポールソン。
「スピリットのイメージそのもの」と製作陣を唸らせた新鋭ガブリエル・マクトを主演に、宿敵オクトパスには本作への出演を熱望したというサミュエル・L・ジャクソンを配し、贅沢なまでに美女たちを注ぎ込んだダイナミック・キャスト。