施設から退院したキムを、父のポール・バックマンと継母のキャロルが迎える。キムの姉レイチェルの結婚が2日後に迫っていた。レイチェルは、友人たちの手を借りて自宅でおこなう手作りの式とパーティの準備におおわらわだ。9カ月ぶりに自宅に戻ったキムは、家の中に知らない人が大勢いて、ピリピリした表情を見せる。
キムが入っていたのは麻薬中毒の治療施設。退院後も定期的に依存者たちのミーティングに出なければならない彼女が、その日、遅れてミーティング室に入った時、ちょうど自己紹介を終えた青年キアレンは、レイチェルの結婚相手シドニーの親友だった。
両家の家族や友人が集まってのリハーサル・ディナーに、姉妹の実母が再婚した夫と遅れてやって来る。レイチェルの親友エマの祝福のスピーチで、キムは新婚夫婦が遠くハワイで暮らすことを知り、顔を曇らせる。だが帰宅後、レイチェルはディナーの席でのキムの態度に怒りを爆発させた。
翌日のミーティングでキムは自分の過去を語る。それは、16歳のときに鎮痛剤でハイになったまま幼い弟イーサンを車で公園に連れて行き、その帰り道、湖に車ごと落ちてイーサンを溺死させてしまった、悲しすぎる出来事だった・・・。
新着映画情報
『レイチェルの結婚』
配 給 : | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2009年04月18日 |
映画館: | Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開 |
アン・ハサウェイ |
監督:ジョナサン・デミ |
2009/アメリカ/ヴィスタビジョン/SDDS、ドルビーデジタル、ドルビーSR/112分
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ジョナサン・デミ監督、入魂のホームドラマで長編劇映画に復活
「サムシング・ワイルド」(86年)で注目され、「羊たちの沈黙」(90年)でアカデミー賞監督賞を受賞、「フィラデルフィア」(93年)では社会派ドラマに挑戦と、幅広いジャンルを横断して傑作をものにしてきたジョナサン・デミ監督。ここ数年はドキュメンタリー映画に熱を入れていたが、ジェニー・ルメットによる型破りな脚本を一読して、「真実や痛みやユーモアに対する大胆なアプローチがとても気に入った」と、監督を快諾。撮影監督のデクラン・クインとともに「今まで作られた中で一番美しいホームビデオ」を目指して、リハーサルなしの撮影に挑んだ。長女の結婚式当日までの3日間の中に、バックマン家が経験した過去の悲劇、今も続く不協和音、それでも切れることのない絆という家族の物語と、多くの人に祝福される陽気な結婚パーティが絡み合う。わかりあえない葛藤に胸をかきむしられながら、それでも前に進んでいく人々の勇気と愛。そこには家族だからこそなし得る力という希望がきらめいている。
ひっきりなしに煙草をふかし、気遣われることにも無視されることにも腹を立てる、人一倍傷つきやすいキム・バックマンを大胆かつ繊細に演じるのは、若手実力派女優のアン・ハサウェイ。