18世紀後半のイギリス。貴族の家に生まれたジョージアナ・スペンサーの嫁ぎ先が決まった。相手は世界で最も裕福な貴族のひとり、デヴォンシャー公爵である。笑顔が初々しい17歳のジョージアナは、母であるレディ・スペンサーから婚礼のことを知らされ、新生活に大きな期待を抱く。ジョージアナと裕福な公爵との結婚はロンドン中の注目を集めた。
しかし、結婚後まもなく、ジョージアナは厳しい現実に直面する。年の離れた夫は彼女への愛情を見せることなく、無関心な態度をとる。彼がジョージアナに望んでいることは、立派な男子の後継者を生むことだった。情熱的な性格のジョージアナは、そっけない彼との生活に不安を感じつつも、公の社交の席では公爵夫人として魅力的なふるまいを見せる。その斬新なコスチュームも社交界の話題の的だったが、それだけに留まらず、賭け事にも興味を示し、遂には政治の世界にも足を踏み入れる。美しく、聡明な彼女は、すべての人々を魅了するカリスマ的な公爵夫人として、ロンドン中に話題をふりまくようになる。
しかし、結婚生活での不満は広がる一方だった。公爵は愛人が生んだ幼い娘の世話をジョージアナに押しつけ、その後、ジョージアナとの間に誕生した娘たちには関心を示さない。彼はひたすらに男子の後継者の誕生を待っていた。苦い結婚生活の中で、ジョージアナは娘たちへの愛情をはぐくみ、公爵夫人としての品格を保とうとした。
そんな彼女はある社交界の席でレディ・エリザベス・フォスターと出会う。不幸な結婚生活を送ってきたエリザベスとジョージアナはすぐに意気投合し、その友情は夫に愛されないジョージアナの大きな心の慰めとなった。しかし、そんなふたりの関係にも、やがてはヒビが入る。原因は公爵で、彼はエリザベスを愛人に選んだのだ・・・。
ただひとりの親友を失ったことに激しいショックを受けるジョージアナ。だが、エリザベスには事情があった。引き離された3人の息子たちを取り戻すために公爵の力が必要だったのだ。やがて、エリザベスの子供たちも屋敷で同居することになり、公爵の屋敷では奇妙な三角関係の共同生活が始まった。エリザベスの事情を受け入れられないジョージアナは、公爵と激しい口論になることもあった。そんな葛藤に耐えながらも、ジョージアナは遂に男の子を生み、公爵が待ち望んだ後継者の誕生となった。
華やかな社交生活と苦い私生活との板ばさみになりながらも、懸命に自分らしい生き方を貫こうとするジョージアナ。そんな彼女の前に魅力的な恋人が現れる。相手は民衆の側に立つ新しい政治家をめざす野心家チャールズ・グレイだった。感情を見せない夫とは異なり、一途な情熱をぶつけてくるチャールズにジョージアナは心を奪われ、ふたりは激しい恋におちるのだったが・・・。