用件を聞く前から、彼の返事は決まっている―“NO”。電話が鳴ってもナンバーを見るだけで出ようとしないし、友人からの誘いには、まず行かない言い訳を考える。話しかけたそうな隣人は愛想笑いだけでやり過ごし、街でチラシを配る青年には目をくれようともしない。職業は銀行員、貸し付けの担当。来る日も来る日もローンの申し込み用紙に「却下」のスタンプを押し続ける。それが、3年前に妻と離婚して以来くり返されてきたカール・アレンの代わりばえのしない日常だ。
昇進の話が立ち消えになったり、恋人連れの前妻と出くわしたりと、すべてがうまくいかない日々。とうとう親友のピーターの婚約パーティーもすっぽかし、長年の友情さえも危うくしてしまったカールは、旧友のニックに勧められた自己啓発セミナーに恐る恐る参加する。セミナー会場は、カリスマ主宰者テレンスの呼びかけに「YES!」「YES!」と連呼する異様な熱気に包まれていたが、カールはいまいち乗り切れない。新参者の参加者を見つけたテレンスは、カールのもとへつかつかと歩み寄り、「この会場を出た瞬間からどんなことがあっても“YES”と言うと誓いなさい。もし誓いを破れば物事は悪いほうへ進むだろう」と、ほとんど脅しのような文句でカールに誓約を迫り、周囲に煽られたカールはついに「YES」と口にする。
会場を出たカールに近づいてきたのは、一人のホームレス。「家まで送ってくれないか?」「携帯電話を貸してくれないか?」「お金を恵んでくれないか?」、すべてにYESと答えたカールは、ホームレスがねぐらにしている広い公園のどん詰まりで無一文になり、おまけに車はガス欠、携帯電話もバッテリー切れに。すべてにYESと答えた結果がこれなのか? 仕方なくとぼとぼと歩いて向かったガソリンスタンドで、カールは一風変わった女性アリスンと出会い、たちまちのうちに意気投合。案外、YESも悪くない。
それからのカールは人が変わったようにYESを連発するのだったが、“YES”には思わぬ落とし穴が...。
新着映画情報
『イエスマン"YES"は人生のパスワード』
原題:YES MAN
配 給 : | ワーナー・ブラザース映画 |
---|---|
公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2009年03月20日 |
映画館: | 新宿ピカデリーほか全国ロードショー |
ジム・キャリー
|
監督:ペイトン・リード |
2008/アメリカ/シネマスコープ/DTS、SDDS、ドルビーデジタル/104分 |
もしも、すべてに【YES】と答えたら。それは今まで誰も気づかなかった、幸せになる方法。
誘われたり、勧められたり、頼まれたり、あるいは決断を迫られたり...、人生は毎日がYESかNOかの選択の連続。面倒なことや厄介なことはできれば回避したいし、まったく興味のないことや絶対に無理なことにはNOと言うのが賢明な選択―、なのかもしれないけれど。でも、もし、それらのすべてにYESと答えたとしたら?
そんな、ある意味とんでもなく無謀なルールを自分に課して、本当に実践してみた人物が実在する。イギリス人のユーモア作家で、テレビのパーソナリティも務めるダニー・ウォレスがその人。彼があらゆることにイエスと言い続けた7カ月間、いったい何が起こったのか? 悲劇あり喜劇ありの思いもかけない日々の顛末を綴った回顧録をもとに、あのジム・キャリーが、挑んだポジティブ・エンターテイメント。
(c)2008 Warner Bros. Ent. Inc. (c)2008 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.