![ストーリー](http://www.movienet.co.jp/images/movie_icon_story.gif)
アメリカに公民権法が制定された1964年。もうすぐ14才になるリリィ・オーウェンズは、サウスカロライナ州の桃農園で、父のT・レイと暮らしていた。リリィには、母のデボラにまつわる悲しい思い出があった。それはリリィが4歳のときのこと。家出の荷物をまとめるデボラと、それを止めようとするT・レイが争う光景をクローゼットの中から見ていたリリィは、母が落とした拳銃を拾い、渡そうとしたとき、誤って引き金をひいてしまったのだ。以来10年間、「大好きな母を殺してしまった」という罪の意識を背負いながら生きてきたリリィ。
そんなリリィの人生を一変させる出来事が起きたのは、14才の誕生日を迎えた夏の日のことだ。
その日、オーウェンズ家で働く黒人家政婦のロザリンが、選挙権の登録に行った町で白人の嫌がらせにあい、袋叩きにされたあげく、警察へ連行される事件が起きた。ロザリンを助けようとしないT・レイに、怒りと不満をぶつけるリリィ。思わず「ママがいたら」と口走った彼女を待ち受けていたのは、父の冷酷な一言だった。「ママはお前を捨てて逃げたんだ。死んだ日には、持ち物を取りに戻っただけだ」。それは、リリィが描いていた優しい母のイメージを覆す、信じたくない言葉だった。「母は私を愛していなかったの?」。リリィは答えを見つけるため、母の遺品を手がかりに、ロザリンとともに旅に出る。
そして、たどり着いた養蜂場。そこは、はちみつ作りで一家を支える大黒柱のオーガスト、音楽教師をしているジューン、料理を受け持つメイの三姉妹が暮らすボートライト家。「叔母の家に行く途中だ」というリリィの作り話に疑いを抱きながらも、オーガストは行き場を失ったリリィとロザリンを快くはちみつ小屋に迎え入れる。その日から、リリィの新しい人生が始まった?。