コネチカット州郊外のスモール・タウン、ブライアー・ヒル。ダイアナは、地元の高校に通う17歳の女子高生。退屈な町の暮らしに同化できない彼女の胸には、つねに鬱屈した感情が渦巻いていた。そのモヤモヤした思いを反抗的な態度にぶつけ、学校でもトラブルメーカーのレッテルを貼られていた。そんな彼女に、親友と呼べる存在ができたのは、ある春の日のことだった。
親友の名は、モーリーン。ロッカールームでタバコを吸っていたダイアナに、先生が見回りに来ることを教えてくれたクラスメイトだ。彼女は、毎週日曜日の礼拝を欠かさない品行方正な少女。麻薬の売人と交際しているダイアナとは違い、同じクラスの男子にそっと片思いを寄せる内気な女の子だった。実際、ダイアナとモーリーンには、シングルマザーの家庭で育ったこと以外にまったく共通点がなかったが、2人はなぜか気が合い、すぐに何でも打ち明け合う仲になった。それも、あの忌まわしい事件が起こる日までは……。
その日、授業開始の前に女子トイレに入ったダイアナとモーリーンは、いつものように他愛ないおしゃべりに興じていた。話題は、もっぱらお互いのボーイフレンドのこと。その2人の耳に、遠くの教室から断続的な叫び声が聞こえてきた。続いて鳴り響く銃声。発砲しているのは、昨日ダイアナの前で「クラス全員を殺す」と息巻いていたクラスメイトのマイケルだった。「冗談だと思っていたのに」と、凍りつくダイアナ。そんな彼女とモーリーンの前に、ついに銃を持ったマイケルが姿を現した。「どちらかひとりを殺す。死ぬのはどっちだ?」と残酷な問いかけを発しながら、ダイアナとモーリーンに銃口を向けるマイケル。恐怖で金縛りになったダイアナは、「どうしても殺すなら私を殺して」と、かたわらのモーリーンが叫ぶのを聞いた。咄嗟にモーリーンの手を握るダイアナ。次に選択するのはダイアナの番だった……。
新着映画情報
『ダイアナの選択』
原題:THE LIFE BEFORE HER EYES
配 給 : | デスペラード/日活 |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2009年03月14日 |
映画館: | シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー |
ユマ・サーマン |
監督:ヴァディム・パールマン |
2008/アメリカ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/90分/PG-12
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『どっちを殺す?』 彼女の答えが引き金になり、新しい人生が始まった、はずだった。
アカデミー賞3部門にノミネートされた「砂と霧の家」(03)で、衝撃的なデビューを飾ったヴァディム・パールマン監督。卓越した心理描写とストーリー・テリングの巧みさで観る者の心をひきつけて離さない若き巨匠が、「クライング・ゲーム」や「ユージュアル・サスペクツ」を想起させる衝撃のラストが待ち受ける野心的なヒューマン・ミステリーを完成させた。
主人公ダイアナには、10代をエヴァン・レイチェル・ウッド(「サーティーン あの頃欲しかった愛のこと」)、15年後をユマ・サーマン(「キル・ビル」)が演じている。青春期の迷いの中を揺れ動きながら自分を探し続ける10代のダイアナと、事件のトラウマを抱えながら生の意味を探し続ける30代のダイアナ。ひとりの女性の2つの人生が交錯して進行するドラマは、過去と未来、現実と理想、生と死を対比的に見せながら、すべての予測を裏切る驚愕のラストシーンに向かって突き進んでいく。
(c)2008 2929 Productions, LLC