北海道旭川市旭山動物園。小さい頃からいじめられっ子で、昆虫が大好きだった青年・吉田が、飼育係としてやって来た。懐が大きく情熱あふれる滝沢園長はじめ、韮崎、柳原、臼井、砥部、三谷らベテラン飼育係たち、管理係の早苗が彼を迎え入れた。
長らく園の客入りは芳しくなく、客集めのために設置されたジェットコースターにはたくさんの客が列を成すが、同じ敷地内の動物園は閑古鳥が鳴いている。危機感を強める滝沢園長は、“動物園廃止”を叫ぶ動物愛護団体の対応にも追われる中、財政赤字を抱える旭山を立ち直らせるべく、日々奔走するのだった。
施設の修繕費用すら市から得られない切迫した状況の中、滝沢園長は飼育係に客の前で動物の魅力を解説させる“ワンポイントガイド”を開始し話題を作る。そして今度は、客に夜行性動物たちの姿を見てもらう試み、“夜の動物園”を始めるなど、自分たちの手で動物の素晴らしさを伝えていく。その頃、かつて愛護団体の1人として乗り込んだ獣医学部の学生・真琴が旭山に興味を持ち、叔父である上杉市長のコネで新メンバーになる。
動物園が活気を取り戻していく中、敷地内に侵入したキタキツネが原因で、ゴリラのゴンタがエキノコックス症に倒れる。検査の結果、職員も動物もみな陰性だったが、この感染症の事実をマスコミに発表。たちまち世間は大騒ぎになり閉鎖の危機はますます強まるのだった...。