"昭和50年全国フォーク音楽祭・北海道大会"ー札幌で開催されたこの大会に、一人遅れてパトカーで到着した若者の姿があった。真っ赤なニッカポッカ姿に大きなサングラス、片手にギターを持ったこの奇抜なスタイルの男こそ、当時19歳だった松山千春。大勢の観客は場違いな彼の姿に爆笑するが、そんな会場に「お前らうっせえぞ!笑ってないで歌を聴け!」と一喝する千春。そして歌い始めた彼の曲『旅立ち』...。その透き通るようなハイトーンボイスと、切ない別れを歌った歌詞の世界に、さっきまで野次を飛ばしていた観客は圧倒され、聞き惚れた。
結局、生意気な態度が災いしてあえなく落選してしまう千春だったが、審査員として彼の歌を聴いていたSTVラジオディレクターの竹田は彼の才能にいち早く気付く。早々に会場を後にしようとする千春に、「いつかチャンスが来るから、その時までに作れるだけ曲を作っておけ!」と告げる竹田。これが二人の運命の出会いだった...。
新着映画情報
大東俊介
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監督:今井和久 |
2008/日本/ヴィスタビジョン/DTSステレオ/112分 |
変わらぬ想い。自分は今、ここで生きていますー。松山千春の自伝『足寄より』の映画化
本作は2006年でデビュー30周年を迎えた松山千春が、23歳の時に書き下ろした自伝『足寄より』をベースに映画化。当時、人気絶頂にあった一人の若きシンガーが、自らの言葉で赤裸々に思いを綴ったこの著書は、大きな話題を巻き起こした。そこには、複雑な家庭事情、貧しくも愛情いっぱいに彼を育て上げた父への想い、音楽への目覚め、そして恩師、竹田との出会いとあまりに突然の別れなど、彼の23年が凝縮された"正直な"内容が描かれていた。こと、千春の才能をいち早く見出し、彼を世に出すことに自らの人生を賭け尽力した竹田の存在は本作でも重要な意味を持つ。
千春を演じるのは「クローズZERO」「リアル鬼ごっこ」などで注目される若手俳優、大東俊介。恩人の竹田に萩原聖人、千春の父親に泉谷しげる。
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