
山岳地帯の上空。航空自衛隊、航空救難団小松救難隊の高性能ヘリUH−60Jを操縦する、23歳の川島遥風(はるか)。操縦を誤り、隊長・菊田2佐から怒号が。
小松基地に降りた遥風を、腕組みして見つめる飛行班長・3佐の鷹栖美那。遥風への不信感を露にする同乗のメディック(救難員)の瀬南。「訓練中に墜落しそこなったんだって?」と、からかい半分で励ます戦闘機F−15Jパイロットの横須賀。救難ヘリ初の女性操縦士の存在は、良くも悪くも基地中の注目の的だった。
数日後、嵐の海で漁船が座礁。遥風に初の任務が与えられた。だが、最後の1名を捜索中、ヘリUHの燃料は限界に達し、無念にもミッションは中止された。その時、眼下には甲板に這い出した男の姿が...しかし、高波が一瞬にして男の姿をさらった。
救いたくても救えないという厳しい現実、そして感傷を捨てなければ全う出来ぬ人命救出の任務。遥風は、葛藤しながらも救難ヘリ操縦士としての覚悟と誇りを徐々に育んでゆく。ある日、戦闘機F−15Jがレーダーから消えた。遭難したパイロットの救出に向かった遥風は、残燃料のリミットと闘い、命懸けのミッションに突き進む...。