1971年、イースト・ロンドン。テリー・レザーは、中古車屋を経営する中年男。かつて裏社会の片隅に身を置いた頃もあったが、嫁のウェンディと2人の可愛い娘のため、今はカタギとなり細々と生計を立てていた。しかし経営は安定せず、借金取りに追いたてられる毎日。そんなある日、昔浅からぬ付き合いのあったモデルのマルティーヌから思いがけないハナシを持ちかけられた。ベイカー・ストリートの角にあるロイド銀行が、装置交換のために約一週間、警報が解除され無防備状態になるというのだ。「一生に一度のチャンスよ、逃しちゃだめ」と迫るマルティーヌ。
実はこのハナシにはウラがあった。数週間前、モロッコ帰りのマルティーヌは、麻薬密輸がバレて空港税関で逮捕された。が、特務機関〈MI-5〉に属するティム・エヴェレットの口利きで事なきを得た。その際ティムから出された条件が、この銀行強盗計画だった。
そんな裏事情も知らず、テリーは計画実行を決意。自称カメラマンのケヴィン、映画エキストラのデイヴといった友人たちに加え、詐欺師のガイと掘削の専門家バンバス、店の従業員のエディ、そしてマルティーヌの総勢7人の実行メンバーが集まった。一味はロイド銀行地下金庫室に向かって約12メートルの穴を掘り、ツキにも恵まれて金庫室内侵入に成功した。
アジトに戻った一味は、300万ポンド以上の現金、宝石類、金の延べ板を手にして狂喜する。しかし盗んだ獲物の中には、英国皇女のスキャンダル写真とそれ以上に物騒なブツが隠されていたのだった...。
新着映画情報
『バンク・ジョブ』
配 給 : | ムービーアイ |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2008年11月22日 |
映画館: | シネマライズほか全国順次ロードショー |
ジェイソン・ステイサム |
監督:ロジャー・ドナルドソン |
2008/イギリス/シネマスコープ/ドルビーデジタル、DTS/110分 |
封印された英国史上最大の銀行強盗事件―これは実話である。
70年代の幕開けー。ストライキが頻発し、アイルランド紛争の激化といった社会情勢の中、グラムロックの雄、T-レックスの『Get It On』がヒットチャートを賑わし、『時計じかけのオレンジ』の年末公開を控えた1971年ロンドン、英国全土を揺るがす一大事件が発生した。
ベイカー・ストリートにある銀行の地下に強盗団が侵入、貸金庫内の数百万ポンドにも及ぶ現金と宝石類を強奪して行方をくらませたのだ。事件は数日間トップニュースとして報じられた後、しかし突如打ち切られた。それは英国政府からのD通告〈国防機密報道禁止令〉によるものだった。歴史上数回しか発令されたことのないこの完全な報道規制の裏には、英国政府がどうしても報じられてはならない秘密が隠されていた。その秘密とは、英国最大のタブー、王室スキャンダルだったのだ。
主犯格のテリーに「トランスポーター」シリーズのジェイソン・ステイサム、テリーを計画に誘うモデル、マルティーヌには「再会の街で」のサフロン・バロウズ。監督は「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。