三味線を弾きながら唄う盲目の旅芸人、瞽女の市(いち)。人との関わりを避けながら旅をする市は、盲目の女が、男たちに脅されていても素知らぬ顔だ。その男たちが今度は市に手をかけようとした時、一人の侍が止めに入った。だが、その侍は刀を抜くことが出来ない。その瞬間、仕込み杖から抜いた市の剣が、男たちを容赦なく斬り捨てた。侍の名は、藤平十馬(とうま)。
とある宿場町にたどり着いた十馬は、賭場でひと儲けした帰り道、5人のならず者に囲まれる。そこでもやはり刀を抜けず、一瞬でカタをつけたのは、またしても市だった。
市に斬られたならず者は、町はずれの山に根城を構え、町を荒らす万鬼(ばんき)の手下だった。町を仕切る白河組の2代目虎次(とらじ)は、彼らを倒したのは十馬だと思い込み、彼を用心棒に雇うのだった。
万鬼はかつて幕府指南役に推挙されるほどの侍だったが、顔に酷い火傷を負って失脚し、今や無法者と成り果てていた。万鬼は殺された手下たちの傷跡に、相手は自分がかつて闘った、居合い斬りの名手だと気付いた。
不穏な空気の中、十馬と市は反発しながらも惹かれあっていく。そして、 遂に、万鬼党の襲撃が始まった...。
新着映画情報
綾瀬はるか |
監督:曽利文彦 |
2008/日本/ヴィスタビジョン/120分/ PG-12 |
何よりも強く、誰よりも孤独ー 彼女の名は、市
日本を代表する時代劇のダークヒーロー座頭市。勝新太郎の代名詞ともいうべき「座頭市」は、2003年、北野武監督・主演で映画化され、斬新な設定と殺陣で観客の度肝を抜いた。そして本作ー
3代目の市は盲目の女旅芸人、“離れ瞽女”(ごぜ)。演じるのは「僕の彼女はサイボーグ」やTVドラマ、CMで活躍する綾瀬はるか。
(c)2008「ICHI」製作委員会