物語は、主人公カンナミ・ユーイチが、欧州の前線基地「兎離洲」ウリスに配属されてくるところから始まるーー。ユーイチには、その基地に赴任する以前の記憶がない。同僚たちは彼を見て意味ありげな表情を浮かべるが、それ以上、何も語ろうとしない。ユーイチが知っているのは、自分が《キルドレ》であるということと、戦闘機の操縦の仕方だけ。初めて乗るはずの機体は体になじみ、その優れた戦闘能力は、すぐにユーイチをエースパイロットの座へと押し上げた。
そんなユーイチを、熱いまなざしで見つめるひとりの女性がいた。基地の司令官であるクサナギ・スイト。彼女もかつてはエースとして戦ったキルドレのひとり。まるでずっと、彼を待ち続けていたかのようなスイトの視線に戸惑いながらも、ユーイチはスイトに惹かれてゆく。
一方、基地を取り巻く戦況は日増しに厳しくなっていった。同僚パイロット・ユダガワの死。ユダガワを墜としたのは、機首に黒豹のマークが描かれた「ティーチャー」と呼ばれるパイロット。彼は、絶対に勝てない敵として大空に存在する「大人の男」なのだった。反撃に向かい、怪我を負って帰還するスイト。
平和な大人たちの求める大規模な攻撃プロジェクトの中で、仲間が次々に失われていく中、基地に新たなパイロットが増員されてくる。新任のパイロットが新聞を几帳面に折りたたむのを見たユーイチは、それが、かつて共に戦ったユダガワの癖だったことに気づく。
蘇ってゆくユーイチの記憶。キルドレが背負った、悲しく、切ない宿命の真実とは...。
新着映画情報
『スカイ・クロラ』
原題:THE SKY CRAWLERS
配 給 : | ワーナー・ブラザース映画 |
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公開日: | 2008年08月02日 |
映画館: | 全国ロードショー |
(声の出演) |
監督:押井守 |
2008/日本/ヴィスタビジョン/121分
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物語の舞台は、いくつかの大戦を経て、つかの間の平和を手に入れた、今とよく似た時代。かりそめの平和を実感する為に、人々は「ショーとしての戦争」を求めた。現代を生きる私たちが、テレビを通して戦争を「観戦」するように。戦闘機のパイロットとして戦うのは、《キルドレ》と呼ばれる子供たち。監督は「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「イノセンス」の押井守。
(c)2008 森 博嗣/『スカイ・クロラ』製作委員会