51年9ヶ月と4日、男は待ち続けたー
事故で夫を亡くし、傷心で葬儀にのぞむフェルミナ(72歳)のもとに現れた男は、彼女の眼を見て静かに告げた。「この日をずっと待っていた。ずっと、愛していた―。」
1897年、コロンビア・カルタヘナ。郵便局員フロレンティーノは、配達先の令嬢フェルミナと恋に落ちるが、身分の違いから離れ離れに引き裂かれてしまう。数年後、医師フベニルと結婚したフェルミナに意気消沈するフロレンティーノは、いつか自分に求婚する権利が与えられるその日まで、何年でも彼女を待ち続けると心に誓った。
時は流れて、51年9ヶ月と4日目。フェルミナを傍らで密かに見守りながら老い、今では金も地位も手に入れたフロレンティーノのもとに、彼女の夫フベニルの訃報が届く・・・。