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ブリタニー・マーフィ 西田敏行 余貴美子 パク・ソヒ タミー・ブランチャード ガブリエル・マン ダニエル・エヴァンス 岡本麗 前田健 石井トミコ 石橋蓮司 山崎努
監督:ロバート・アラン・アッカーマン 脚本:ベッカ・トポル 撮影:阪本善尚 音楽:カルロ・シリオット
2008/アメリカ/102分
本作は、ベッカ・トポル(脚本)が東京で学び、生活していた頃の実体験に基づいている。大学時代、彼女は三鷹市にあるICU国際基督教大学でひと夏を過ごした。それが日本文化に対する彼女の興味を助長し、その後、日本で一年間を過ごすきっかけとなった。彼女もまた、アビーというキャラクター同様、異文化のなか、日本語と格闘しながら、必死で日本に溶け込もうとしていた。そして、近所のラーメン屋の入り口に掛けられた暖かい赤提灯に惹きつけられた経験があった。中に入ると、ラーメン屋の主人も常連客も、皆が彼女を暖かく迎えてくれたのだと。
アビーは、恋人イーサンと暮らすために日本にやって来た。言葉も習慣も分からない国に来たけれど、希望に胸膨らませていたところ、彼は突然、無期限で大阪に行くことになり、ひとり取り残されてしまった。途方に暮れる中、アビーはアパートの向かいにある小さなラーメン屋の明かりに気づき、思わず飛び込んだ。閉店していたことにも気づかず、彼女は泣き崩れ、英語が分からない店主マエズミに思いをぶちまける。そこに一杯のラーメンが差し出された...。 そのラーメンで、魔法にかかったように元気を取り戻したアビーは、これこそ天職と、マエズミに弟子入りを志願する。だが、マエズミは横暴な酔っ払い。言葉の壁などまるで気にせず、日本語でしょっちゅう叱り付ける。アビーは来る日も来る日も、床掃除に鍋洗い、そしてトイレ掃除で、料理は教えてもらえない。そんな日々に我慢がならなくなった彼女は店を飛び出したが、きれいにすることこそ料理への第一歩と気づき、覚悟を決め再び店へ。 ある夜、欧米人の仲間と出かけたアビーは、トシという日本人の男の子と知り合い、すぐに意気投合する。トシとの恋が育っていくなか、マエズミとも良好な関係になっていった。彼はアビーにラーメン作りを教え始める。だが、どんなに一生懸命作っても、彼女のラーメンには"魂"がない。
そんなある日、市場へ出かけたマエズミは、同業者らがアメリカ人の女の子にラーメン作りを教えている自分をあざ笑っているのを耳にする。猛烈に腹が立った彼は、2ヶ月後にやって来る"ラーメンの達人"がアビーの腕を認めなければ、自分はラーメン作りを永遠にやめると宣言してしまうのだった。果たして、アビーは"ラーメンの達人"からお墨付きをもらい、一人前のラーメン職人になれるのだろうか?そして、マエズミの行く末は?