(c)「ネコナデ」製作委員会

　 撮影中、主人公そのままに大杉漣を夢中にさせたと話題になっている、子ねこのトラ。東京出身、生後２ヶ月（撮影時）のスコティッシュフォールド。たれ耳で、その愛くるしい表情は萌え度100％。大森監督が「トラちゃん、今の"演技"をもう一度！」とつい言ってしまったというほどの、堂々たる演じっぷりを見せた。

(c)「ネコナデ」製作委員会.

　　IT企業、デジタルドラゴンの人事部長、鬼塚太郎は、冷淡な社長、辰美孝四郎の元、会社に必要のない社員を容赦なく切りつづけ、全社員から恐れられている。職場にあっても家庭にあっても自分自身を厳しく律し、笑うことも冗談をかわすこともなく、社員はおろか家族にさえ甘えを許さない。
　実は鬼塚は繊細な心の持ち主。リストラしつつ、その一方で新入社員を迎えること、冷酷に社員の首を切っていくことに煩悶し、絶え間のない胃痛と闘う日々だった。しかし、鬼塚のプライドは人前で弱みを見せることを許さない。
　帰宅途中、胃薬を飲もうと、いつものようにベンチに腰掛けた鬼塚。 ふと、捨てられた子ねこをみつける。 ウルウルとしたその瞳。気がつくと、鬼塚は子ねこを抱いて、自宅前に立ちつくしていた。
　家に連れてきたものの、妻の静子の目を隠し通せる訳もなく、もといた場所に戻すこともできず、悩んだ末、研修社員用に借りていたウィークリーマンションの１室に、こっそりと子ねこをかくまうことを決意。その日から、鬼塚の想像を絶する奮闘が始まった．．．。