『魍魎の匣』 配給:ショウゲート オフィシャルサイト:http://www.mouryou.jp 公開日:2007年12月22日 渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国ロードショー
監督・脚本:原田眞人 原作:京極夏彦 撮影:柳島克己 美術:池谷仙克 衣装:宮本まさ江 編集:須永弘志 音楽:村松崇継
2007/日本/ヴィスタサイズ/ドルビー・デジタル/133分
「姑獲鳥の夏」に続く、京極夏彦ベストセラー小説の映画化。戦争の傷跡が残る1952年の雰囲気を 再現するため、上海撮影所での ロケが敢行された。 幻想的且つ不可解な幾つもの事件が同時進行 する長大な原作は、原田眞人監督自ら脚本に書き下ろし、「今までの作品の中でも最多」というカット を駆使して一気に見せる。そしてエンディングテーマは熱狂的な「京極堂」ファンという椎名林檎の「東京事変」 が書き下ろし、華を添えている。 ミステリ小説の中でもページ数がダントツに膨大で、魍魎やら妖怪の話に不可解な出来事・事件、そし てすべてがひとつに終結していく、「京極堂」シリーズ。映画ファンのみならず、「京極堂」ファンも期待 の一作。
1945年、太平洋戦争末期の戦場で海軍中尉・榎木津はひとりの兵士 を助ける。一兵卒と思しきその男は、死体から盗んだ「久保中尉」の名 札を付けていた。 近 くで爆発した照明弾に左目をやられる榎木津。逃げ込んだ洞窟で目を 覆っていた布を取った彼は久保を見て激しく動揺する。 彼の眼に映ったのは久保の過去、"ハコ"にまつわるおぞましい記憶だった。 終戦から7年後、東京で探偵事務所を開いていた榎木津は、元映画女優の柚木陽子に失踪した娘 加菜子の捜索を依頼される。それより10時間前、売れない作家の関口はカストリ雑誌の記者、鳥口 から世間を騒がせている少女バラバラ連続殺人事件の記事を依頼され、軽く受け流したものの、調 査を開始することに。その頃、謹慎中の木場刑事に後輩の青木刑事が連続殺人事件の強力を仰ぐ が断られていた。その夜、青木刑事は加菜子が電車のホームに落ち瀕死の重傷を負った現場に遭 遇する。病院に駆けつけた陽子は、高名な美馬坂医学教授の研究所へ加菜子を転院させることに。 陽子を見つめていた榎木津が奇妙な問いを発する。「あのハコみたいな館へ入るんですか?昔みた いに?」 数日後、古書店「京極堂」の主にして「憑物落とし」の中禅寺秋彦のもとに関口、鳥口、榎木津が集 まっていた。