(c)2006 Elah Finance V.O.F.

　アカデミー賞受賞作「クラッシュ」に続き、ポール・ハギスが次に選んだ題材は、イラク戦争から帰還した兵士が失踪直後に焼死体で発見され、父親の捜査によって真実が明らかになるという悲惨な事件。米プレイボーイ誌の記事"Death and Dishonor"に書かれた実話である。
　この事件が起きた2003年当時のアメリカはイラク戦争が過熱する一方で、誰もが関りを懸念する題材だったが、クリント・イーストウッドが作品に共鳴し、製作のサポートを約束してくれたことで、映画化が実現した。

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　 2004年11月1日、ハンク・ディアフィールドの元に、息子のマイクが軍から姿を消したという知らせが届く。ハンクは引退した元軍人警官で、マイクもその兄も軍人という典型的な軍人一家だった。そんな一家で育った息子に限って無許可で離隊するなどあり得ないと思ったハンクは、妻のジョアンを残し、息子を探し出すために帰還したはずのフォート・ラッドへ向かった。
　帰国している同じ隊の誰もマイクの行方を知らない。地元警察の女刑事エミリー・サンダースがハンクの捜索を手伝い、消息を探っていた矢先に、マイクの焼死体が発見されたという連絡が。二人は真相を究明しようとするが、マイクの殺害現場が軍の管轄内だったために、事件の捜査は警察の手から離れてしまう。しかし、サンダース刑事の助けでマイクの死体が遺棄された現場へ検証に向かったハンクは、殺害現場が軍の敷地外だと見抜き、一つ一つ真実を解き明かしていく。そこには、父親の知らない息子の"心の闇"、そして事件の裏に潜む衝撃の事実があった．．．。