(c) 2008　アートポート

本作は、自分勝手な理論や常識を押し付け、相手をとことん追い詰めていくクレーマーの恐怖を、サスペンスホラーとして描いている。

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　(case 1)
　製菓会社の"お客様相談室"でクレーム処理を担当する継村尚人。日々掛かってくるクレームの電話にも、臆することなく毅然と対応する姿は社内でも一目置かれていた。ある日、継村はナイトウと名乗る男から「ミネラルウォーターに虫が混入していた」という、電話を受ける。いつものように真摯に対応するが、ナイトウには全く通用しない。やがて、ナイトウの怒りの矛先は継村の生活圏内にまで及び、悪質なストーキング行為が始まった。姿を見せることの無い相手に追い詰められていく継村。

　（case 2)
　宮田夏美は夫と離婚、５歳の息子と一緒に暮らしている。彼女の職場は製菓会社の"お客様相談室"。一本の電話を受けると、受話器の向こうから女のすすり泣きが聞こえる。女は「流産したのはお宅のドリンクを飲んだせいだ」と言う。実は会社が紅茶の成分表を偽っていたのだが、会社からの圧力を前に相手のクレームを認めるわけにはいかない。マニュアル通りに受け答えして電話を切った。あくる日、夏美はニュースを見て驚愕する。本社ビルから流産を苦にした女が飛び降り自殺したのだ。もしかしたら昨日、電話をしてきた女ではないか。それを機に、お客様相談室に不審な電話がかかってくるようになった。受話器から聞こえるのは女の囁く声、その電話を受けた職員は一人また一人、死んでいった。