(c)2006 The Film Farm/Foundry Films/ pullingfocus pictures Inc.
『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』 AWAY FROM HER 配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ/アニープラネット オフィシャルサイト: http://www.kimiomo.com 公開日:2008年5月31日 銀座テアトルシネマほか全国ロードショー
ジュリー・クリスティ ゴードン・ピンセント オリンピア・デュカキス マイケル・マーフィ クリステン・トムソン ウェンディ・クルーソン アルバータ・ワトソン
2006/カナダ/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/110分
世界各国で放映された人気TVドラマシリーズ「アボンリーへの道」のセーラ役でレギュラー出演するなど、天才子役として注目されたサラ・ポーリーは、その後も「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」などでその実力を評価され、"過去10年間でカナダが生んだ最も偉大な役者のひとり"といわれる。本作は、短編で監督としての手腕を発揮してきた彼女の長編映画デビュー作。 アリス・マンローの短編「クマが山を越えてきた」を、弱冠27歳のサラ・ポーリー自ら脚色し、複雑な人間心理を巧みな演出と映像で表現している。
結婚してから44年になるグラントとフィオーナは、オンタリオ湖沿いの家で、仲良く穏やかな生活を送っていた。しかし、そんな生活に不調和が生じ始める。フィオーナにはアルツハイマー型認知症の影がしのび寄っており、洗い終ったフライパンを冷蔵庫にしまったり、友人夫妻を招いた夕食の席でワインが何かを忘れてしまったり。そんなフィオーナをグラントは辛抱強く見守り続けていた。 ある夕方、一人でクロス・カントリースキーに出掛け、自分がどこにいるかさえ分からなくなってしまったフィオーナは、グラントに探し出された後、老人介護施設メドウレイクへ入所することを自ら決断する。フィオーナの入所後30日間は施設の規則で面会が許されなかった。 ようやく訪れた面会のとき、フィオーナはグラントをまったく覚えておらず、車椅子に乗った男性オーブリーを非常に気にかけているのだった。彼女は無邪気にもオーブリーが初恋の相手だったとグラントに伝える。記憶の混濁か、真実か? 愛妻に思い出してもらおうと施設に日参するグラントだが、フィオーナとオーブリーの間に芽生えた愛情が日増しに深まっていくのを目撃し、いたたまれない気持ちになる。彼を温かく励ます看護師に、妻のオーブリーに対する愛情は自分に対する罰なのではないかと、グラントは語る。夫婦円満に見える二人だったが、グラントにはフィオーナに対する負い目があったのだ。