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『ジダン 神が愛した男』

配給:シネカノン
オフィシャルサイト:
http://www.zidane.jp/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ジネディーヌ・ジダン 監督:ダグラス・ゴードン
    フィリップ・パレーノ
撮影:ダリウス・コンジ
編集:エルヴェ・シュネイ
音楽:モグワイ

2006/フランス、アイスランド/
1:2.35/ドルビーSRD/1時間35分


イントロダクション
「ピッチの中にこそ本当の姿がある、現役を引退したジダンの1試合の姿のみを追い続けた、リミックス的ともいうべき、画期的なリアル・ドキュメンタリー作品」
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(C)Anna Lena films
  サッカーのワールドカップが終わった。4年に1度やって来る僅か1ヶ月間の世界最大のスポーツの祭典は熱狂を巻き起こしながら、イタリアの勝利で幕を閉じた。次々に有力なチームが負けていく中(勝ち上がるのも有力なチームだが)、大きな注目を浴びてきたのが、20世紀が生み出した最高のプレイヤーのひとりであり、この大会で現役引退を表明しているフランス代表のジネディーヌ・ジダンだった。彼に引っ張られるようにフランスは地力を発揮し、決勝まで駒を進めた(その結果は先に記したとおりだ)。そんなジダンを主人公としたドキュメンタリー作品が公開される。それが『ジダン 神が愛した男』である。
  ジダンは恵まれた環境にあるとはいえない、アルジェリア移民の子供として生まれ、17歳でフランスの一部リーグでプロデビュー。その後、ヨーロッパを代表する選手のひとりとしてイタリアのユベントスで活躍していた彼を世界に印象付けたのは1998年のワールドカップ・フランス大会だった。その年、彼は欧州最優秀選手賞、FIFA世界最優秀選手賞を受賞する(FIFA世界最優秀選手賞はその後も2度(計3度)受賞している)。2001年にとてつもない移籍金でレアル・マドリードに移籍。2002年にはUEFAチャンピオンズリーグで優勝。あまりにも不運な2002年のワールドカップを経て、2004年にはフランス代表からの引退を宣言するが、フランス代表の低迷もあり、復帰する。そして、彼はこのワールドカップを最後にサッカー選手としての活動にもピリオドを打つことを宣言している。
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(C)Anna Lena films
  この文章を書いている時点でジダンのサッカー選手としての活動にはピリオドが打たれている。『ジダン 神が愛した男』はそうしたタイミングで公開される作品である。となると、世紀を代表するサッカー・プレイヤーであるジダンの半生を彼のコメント、周囲のコメントや名シーン、プライベート映像の数々で綴っていくものを想像するだろう。ありきたりな作りかもしれないが、それが最もストレートなドキュメンタリーの描き方である。でも、この作品はそうした部分とは全く違う、誰かがやってみようと考えたかもしれないが、誰もがやらなかったスタイルでサッカー・プレイヤー ジダンへと迫っていく。それはある日の試合の間のジダンだけを追い続けるというものである。
  監督はダグラス・ゴードンとフィリップ・パレーノという現代美術の世界で活躍するふたりである。フィリップ・パレーノはこの作品のアイデアが1997年に浮かび、その当時からジダンしか対象でしかなかったと語っている。そして、ダグラス・ゴードンはジダンを選んだのには、サッカーという世界を超えて知られる人物であること、労働者階級で育ちという境遇への共感を挙げている。とにかく重要なことはジダンという人物の存在であり、その人物が最も存在感を示すのはサッカーのピッチであるということなのだ。ちなみにジダン自身は自分を映画に描くということは全く興味がないのだが、こうした作品が今までに作られたことがない、リアルタイムで撮影をするという部分から撮影への許可を出したという。そのジダンはピッチで見せる自分の表情に驚きをも感じている。
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(C)Anna Lena films
  この作品が捉えるのはすでに現役からの引退を発表していた2006年5月7日、レアル・マドリードのホームグラウンド サンティアゴ・ベルナベウでの対ビジャレアルの試合である。作品はジダンにとってレアルのホームグラウンドでは最後となるこの試合のジダンの表情やプレイをTVで放送されているであろう映像、ピッチに設置した特殊カメラからの映像などを切り替えながら、時間軸に沿って、綴っていく。それはジダンにとっても、ファンにとってもいつもと変わらない、ひとつの大切な試合である。作品の合間にはジダンの呟きのようなサッカーへの思いのコメントがテロップで入れられ、その日に世界で起こっていた出来事の映像も挟み込まれる。この日、イラクでは爆発事故が起こり、ジャカルタで開催されていたサミットが閉幕し、セルビアモンテネグロでは洪水が被害を及ぼし、俳優のジョン・ミルズが永遠の眠りにつき、ジダンの息子は熱を出している。それは2006年5月7日の一部の出来事である。こうした日々は繰り返され、積み重ねられ、忘れられていく。2006年5月7日、レアルの試合でピッチに立っていたジダンは決して多いといえないボールタッチの中、決定的な仕事をし、誰もが想像していなかった終焉を迎えている。積み重なり、終わりへと向かう彼のサッカー人生の中でこの試合がどれほど重要なものになるのかは分からないが、ピッチという中で起こった波乱のような人生を垣間見ることは出来る。そして、サッカー・プレイヤーを職業とした仕事人としてのジダンの顔がそこにはある。
  単なるひとつのサッカーの試合、その中のジダンを追っただけの作品ではあるが、想像以上の面白みがここにはある。それはジダンの表情やマイクが捉えた呟き、芝の上を走る音、ボールにタッチする際の音、観客の声援のリアルさ、そうした部分が排除されているときに流れるモグワイの音楽の心地よさ、その排除とも繋がるが、ひとつのサッカーの試合をその試合のあらゆる角度の映像などをミックスしながら作り上げた監督たちの手腕だろう。いうなれば、この作品はひとつのサッカーの試合をリミックスしたものなのである。例えば、この手法は他にも使えるが、その際にものを言うのがディレクションする人間のセンスになってくるのだけは間違いない。この作品でのそれは多分、一級品だろう。そうした部分でサッカー好きはもちろん、映画好きにも観て欲しい作品である。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「2006年5月7日、レアル・マドリード対ビジャレアル、ジダンはいつものようにピッチにいる」
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(C)Anna Lena films
  2006年5月7日、レアル・マドリードのホームグラウンド サンティアゴ・ベルナベウでの対ビジャレアルの試合。すでに引退を表明しているジダンにとって、この試合はホームでの最後の試合だった。この日、いつものように世界では様々な出来事が起きているが、いつものようにジダンはピッチに立ち、試合に流を生み出そうとしていく。そんなジダンのピッチでの姿をカメラは追い続けていく。
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