ホーム ライブラリー コラム プレゼント トレイラー ショップ 掲示板 会社概要
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
公開劇場一覧を別ブラウザで開きます。 前のページに戻ります

『ウォ・アイ・ニー』

配給:ムービーアイ、レントラック
オフィシャルサイト:http://www.woaini.jp/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
シュー・ジンレイ
トン・ダウェイ
監督、製作、共同脚本:
  チャン・ユアン
原作、共同脚本:ワン・ショー
撮影:チャン・ジェン
主題歌:フェイ・ウォン

2003/中国/カラー/ヴィスタサイズ
/ドルビーデジタル/1時間38分


イントロダクション
「『ただいま』、『クレイジー・イングリッシュ』などで世界的な評価を獲得している中国映画“第六世代”の旗手チャン・ユアン監督が描く、ぎりぎりの生々しさに満ちた、ありふれた愛が壊れるまでの物語」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 “韓流”の次は“華流”だと、中国圏の映画、ドラマのブームが期待されているが、現実的には苦戦の状況が続いているようだ(これはブームといわれる“韓流”の作品にもいえることで、人気スターが出ていない作品は相当な苦戦を強いられているという)。アジア映画が観たいというコメントはこのサイトでも多く頂くのだが、それがより幅広い層まで広がってないのをこのことは示していると思う。こうした日本での数字の面とは別に、中国映画界からはヨーロッパを中心に高い評価を獲得する新鋭たちが登場してきている。今回紹介する作品『ウォ・アイ・ニー』のチャン・ユアン監督もそうした監督たちのひとりである。
  『ただいま』でベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞し、独自の英語勉強法を知らしめるために中国を講演して歩く青年の様子を捉えたドキュメンタリー作品『クレイジー・イングリッシュ』などの作品で世界的な評価を獲得しているチャン・ユアン監督は中国の“第六世代”を代表する監督である。中国映画はこの“世代”という表現を用い、監督と作品を結び付けているのだが、チャン・ユアン監督が属する“第六世代”は1960年代から1970年代にかけて生まれた監督、1980年代後半以降に作品を発表してきている監督たちと括られることが多い。作品の大きな特徴となっているのは、自分たちの生活に根ざしたドラマを描いていることだろう。それは貧富の差など必然的に政府批判へと繋がることも多く、検閲の厳しい中国国内では上映されないことも頻繁だという。中国映画の評価が世界的に確立したのは「文化大革命」という現実を背負ったチェン・カイコー監督、チャン・イーモウ監督、ティエン・チュアンチュアン監督らの“第五世代”の功績による部分が大きく、ここにはもちろん中国政府としての改革開放路線も絡んできている。この作品のチャン・ユアン監督、『世界』のジャ・ジャンクー監督、『わが家の犬は世界一』のルー・シュエチャン監督はそうした改革開放路線の中で(それが海賊版であろうが)欧米の映画に触れ、そういった部分を吸収し、自分たちの身近なドラマを描くことで、新しい中国映画の世代として世界的な評価を獲得してきている。
  この作品が描くのもそういった自分たちの身近なドラマのひとつ、恋愛と結婚生活である。主人公の看護婦として働く女性は結婚を約束した男性を不慮の事故で亡くしてしまう。その場には彼女と婚約者の友人もいた。それからしばらくして、彼女とその友人は偶然再会し、すぐに恋愛関係となり、すぐに結婚を決める。しかし、ふたりが理想としていた結婚もすぐに空回りし始める。
この作品には中国人の若いカップルたちの普通の生活が描かれている。ちょっと羽目を外した遊び、自由な恋愛、行き過ぎた結果としての堕胎などそれは当たり前と言えば当たり前の世界だ。結婚をしたふたりは一部屋のアパートメントに大きなベッドを置き、部屋を可愛く飾り、食事のカップラーメンを楽しそうに食べたり、手を取り合いながら買い物へと出かけていく。でも、そうした楽しさは少しずつ、互いに共有できるものではなくなっていく。少しのズレはだんだんと大きなひび割れになってゆき、気づいたときには埋められない幅と深さを持ったものになっている。男にすれば、女の執拗な愛が堪えたのかもしれないし、女にすれば自分の愛情が跳ね返されたということなのかもしれない。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
  カメラはこうした2人の生活をときには覗き見るように、ときにはその表情の一瞬を逃すまいとクローズアップの長まわしで追い続ける。このカメラワークは生々しさと共にどこか冷めた客観性、ドキュメンタリー的な視点を生み出している。他人事のようで、自分に重なる痛み、どちらにしてもぎりぎりの生々しさに満ちているのだ。
  主演は中国新四大女優のひとりであるシュー・ジンレイ(ちなみに中国新四大女優の残る3人はチャン・ツィイー、ヴィッキー・チャオ、ジョウ・シュンである)と中国映画界期待の若手男優トン・ダウェイ。幸福感からあっという間に絶望の狂気へと変わっていく表情を見事に生み出すシュー・ジンレイの演技には脱帽せざる得ないし、トン・ダウェイは冷めていく男の閉塞感をうまく演じている。ほとんどがアドリブだったというふたりの口喧嘩のシーンなどは圧倒的である(もちろん、チャン・ユアン監督の演出の素晴らしさもだ)。
映画のタイトルである『ウォ・アイ・ニー』の意味は多くの方がご存知だろうが、“I LOVE YOU”である。主人公である女性は執拗なくらい、言葉での愛の確認を求め、それゆえに結婚を急ぐという行動へとはまっていく。映画のオープニングでは顔を寄せ合い、愛と結婚の確認をする女性と不慮の事故でなくなってしまう恋人の姿がクローズアップで描かれているのだが、この姿は次の恋愛でも繰り返されていく。彼女のこうした執拗な愛の理由もラストには明確ではないが分かるようになっている(このシーンも印象的だ)。でも、こうした執拗な愛は理由がどうであれ、どこにでもありふれているはずだ。
  ありふれた愛の壊れるまでの物語だが、中国映画ではもちろん、他国の映画でもあまりなかったスタイルであり、ありふれた愛を描くことで、中国の現代をきっちりと伝えてくれる作品だ。中国映画、アジア映画、アート系映画(フランス映画など)が好きなら、ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「恋愛関係から理想とする結婚へ。でも、その結婚はふたりの溝を徐々に大きく広げていく」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 看護婦として働く若き女性シャオジュー。彼女は結婚を約束した男性がいたが、彼は不慮の事故で亡くなってしまう。その場には彼女と彼の親友ワン・イーもいた。それからしばらくして、ワンはシャオジューと再会する。それはワンの友人のカップルが闇で中絶するためにある病院を訪れたときだった。ちょっと気まずい気持ちを抱えながらも、ワンとシャオジューはお互いに惹かれあってゆき、シャオジューの執拗なくらいの結婚願望から、目出度く結婚することとなる。しかし、結婚生活はふたりが考えた理想とは程遠いものとなっていく。
movilog
ピックアップムービー
サーチ
DVD比較はベストプライス


リンク
メールマガジン登録
神雕侠侶オフィシャルウェブサイト
ベクター・メディカルテック・ジャパン
*giggle
本サイトをご覧になりるにはFlashPlayerが必要です。 IE5.0以上推奨 画面サイズ推奨800×600以上 お問い合わせ先