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『美しい人』
配給:エレファント・ピクチャー、ツイン、
    博報堂DYメディアパートナーズ
オフィシャルサイト:
http://www.elephant-picture.jp/utsukusii/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
キャシー・ベイカー
エイミー・ブレナマン
エルピディア・カリーロ
グレン・クローズ
スティーヴン・ディレイン
ダコタ・ファニング
ウィリアム・フィクトナー
リサ・ゲイ・ハミルトン
ホリー・ハンター
ジェイソン・アイザックス
ジョー・マンテーニャ
イアン・マクシェーン
モリー・パーカー
メアリー・ケイ・プレイス
シドニー・ターミア・ポワチエ
エイダン・クイン
ミゲル・サンドヴァル
アマンダ・セイフライド
シシー・スペイセク
ロビン・ライト・ペン
監督、脚本:ロドリゴ・ガルシア
プロデューサー:ジュリー・リン
撮影監督:
  ハビエル・ペレス・グロベット
編集:アンドレア・フォルプレヒト
美術:コートニー・ジャクソン
衣装:マリア・トルチュ
音楽:エドワード・シェアマー

*2005年 ロカルノ国際映画祭
  最優秀作品賞
  最優秀主演女優賞 受賞

2005/アメリカ/カラー/35ミリ/
1時間54分


イントロダクション
「『彼女を見ればわかること』のロドリゴ・ガルシア監督が描く、人生の重みに耐え続けている9人の女性たちのある瞬間、それが重なることにより生まれてくる深い味わいを残す作品」
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  短編、中篇をまとめたオムニバス長編映画には長編映画や短編映画とは違った面白さがある。例えば、様々な監督が集って作られるオムニバス長編映画はひとつの大きなテーマに対して、それぞれの監督のアプローチの差、個性などが現れる。また、ひとりの映画監督がオムニバス長編作品を撮る場合には登場人物を交差させること、時系列をずらしていくことなど映画的な手法をうまく使うことにより、長編作品とは違ったひとつの物語としての味わいを生み出すこともある。今回紹介する『美しい人』はひとりの映画監督が撮ったオムニバス長編作品である。
  この作品を撮った監督はロドリゴ・ガルシア。長編監督デビュー作『彼女を見ればわかること』でカンヌ国際映画祭“ある視点部門”グランプリを受賞、2作目の『彼女の恋からわかること』も高い評価を受けた、南米出身の映画監督である。彼はあの世界的な作家であるガルシア=マルケスの息子なのだが、そうした符号は必要ないほどの人気と評価をすでに獲得している。実はこれまでに彼が監督した長編映画は全てオムニバス長編スタイルであり、しかもどれもが“女性の生き方”をテーマにしている。『彼女を見ればわかること』は一見幸せな5人の女性たちの抱える孤独を描き、『彼女の恋からわかること』は10人の女性たちの恋愛を自らの告白で描いていた。この作品もそれらの作品と全く同一線上に存在している。
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  この作品の原題は『9 LIVES』、“9つの生命”、“9つの生き方”という意味合い通り、ここでは9人の女性たちの生き方が描かれている。ロドリゴ・ガルシア監督はこの作品について「僕は何かに囚われていたり、マンネリに陥っていたり、ある状況から逃れられないとか、成長できない人たちというのに、とても興味があるんだ。そのことはいつも、長編というよりむしろ短編を書くというシチュエーションに僕を導く。」と語っている。彼が見たいことは「一人の女性の人生におけるある瞬間や人生の中にどのように囚われているか」であり、究極的には「90から100の瞬間で構成される「MOMENTS」という作品を撮りたい」ともいう。人生の囚われの状況を長編作品として描いている作品は数多いが、彼は「それだけで2時間以上の映画として維持させるのは難しい」としている。それはあくまで彼の興味が“瞬間”という部分にあるからだろう。
  ここで描かれる9つの物語の中で明らかに連動しているのは娘を主人公としたものと母親を主人公としたものの2つだけだ。ただ、この2つも含めて、どの作品も独立したひとつの作品であるが、共通した何かを抱えている。その何かを監督は“関係の拘束性”と語り、僕は“関係の拘束性”という部分から落下したいと思いながらも落下することをぎりぎりに耐えている、耐えざる得ないものと感じた。物語のある女性は待望の娘との面会を果たす囚人、ある女性は父親との関係に悩みを抱え、ある女性は昔の恋人との関係を忘れられず、ある女性は父と母の関係の接着剤から逃れられない・・・・、囚人は多少違うかもしれないが、誰もがそこでは普通の生活を営み続けている。でも、この瞬間に彼女たちの中からは日々抱えていた何かが零れ落ちようとするのだ。零れ落ちようとしているものがどうなるのかは作品を観て、感じ取ってもらえればと思う。
  また、この作品は全ての物語が長まわしのワンショットで撮影されている。どれもが15分に満たない作品ではあるが、カットで割らず、その場のリアリティ、心境の変化ををきちんと捉えるという意味でもこの冒険ともいうべき撮影方法が最大限の効果を発揮している。もちろん、それは役者陣の演技、スタッフの手腕があってこそ生まれたものである。
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  その役者陣はエルピディア・カリーロ、ロビン・ライト・ペン、リサ・ゲイ・ハミルトン、ホリー・ハンター、アマンダ・セイフライド、エイミー・ブレナマン、シシー・スペイセク、キャシー・ベイカー、グレン・クローズというこの上なく、素晴らしい面々である。2005年のロカルノ国際映画祭ではこの9人の女優に対し、最優秀主演女優賞が与えられるという快挙も起こったが(ちなみに最優秀作品賞も受賞)、観ればそれも納得のはずだ。また、男の側としては登場する男性にもそれぞれにシンパシーを抱けるはずだ(この男性たちの描き方も厳しくとも優しい)。
  小説の世界では長編小説と短編小説の住み分けが出来ている。同じ主人公などによって綴られる連作短編小説もあれば、全く別の主人公なのに1冊の単行本にまとめられることによって重層的な深い味わいを生み出す短編小説集もある。ロドリゴ・ガルシア監督のこの作品は正にそうした重層的な味わいを生み出すものである。1作でも印象的なエピソードになるが、それがまとまった時、観終わってから残す余韻は相当に深い(例えば、最後の物語は単体とこの作品のラストに置かれたのとでは重みが全く違う)。女性たちが共感できる作品であるのは間違いないが、映画的な深みを持った美しい作品でもあるので、男性も含めた、多くの方に味わってもらえればと思う。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「様々な繋がりの中で自らの確かではない位置、関係に揺れる9人の女性たちの物語」
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  刑務所に服役するサンドラは大切な娘との面会を控えている。妊娠中のダイアナはスーパーで昔愛していた男に偶然再会する。ホリーはずっと会っていなかった父親に感情を向けようとしている。夫と友人の新居を訪れたソニアはそこで望んでもいない夫婦喧嘩をしてしまう。サマンサは進学と引き換えに両親の繋がりとなるべく、家に残ることを決定している。ローナは元夫の妻の葬儀で彼から本意をぶつけられる。ルースは不倫をしようとしている。カミールは重要な手術を目前にしている。マギーはある想いを抱えて墓参りに来ている。9人の女性たちは様々な揺れを抱えながら、その瞬間を生きようとしている。
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