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『プラハ!』

配給:アンプラグド
オフィシャルサイト:
http://www.praha-movie.com/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ズザノ・ノリソヴァー
ヤン・レーヴァイ
ヤロミール・ノセク
アルジュヴェタ・スタンコヴァー
アンナ・ヴェセラー
ルボシュ・コステルニー
マルタン・クバチャーク
オンドジェイ・シーペク
ペトル・ブリアン
監督、脚本:フィリプ・レンチ
製作:フランチシェク・ヤンダ
脚本:ズデニェク・ゼレンカ
撮影:マルチン・シェツ
編集:ヤン・マトラフ
衣装:カテジナ・ミーローヴァ
音楽:ヤン・カロウセク

*ビルゼン・フィルムフェスティバル
  観客賞 受賞
*チェコ・ライオン賞
  衣装賞
  編集賞 受賞

2001/チェコ/35ミリ/カラー/
ドルビーデジタル/1時間50分


イントロダクション
「プラハの春の解放感に溢れる都市プラハ。ここで綴られるポップでキュートだけど切なさが募る束の間の恋と時代の物語、チェコで国民の20人にひとりが観た青春ミュージカル映画が遂に公開」
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 世界中の劇場で公開される映画の80%以上はハリウッドの資本が絡んだ“ハリウッド映画”で占められ、しかもその規模は更に拡大中なのだという。実際、どこの国のボックスオフィスを眺めても上位を占めるのは“ハリウッド映画”であり、自国の映画産業を守るために何らかの規制を設けている国もある(これは音楽も同様なのだが)。そして、この“ハリウッド映画”の攻勢が自国の映画産業に対するプレッシャーとなっている国もある。東欧の国 チェコもそういった国のひとつといっていいのだろう。今回紹介する『プラハ!』はそんなチェコ産のポップでキュートな作品である。
 チェコ(旧チェコスロヴァキア)の映画といって思い浮かぶもののある人は相当な映画通だろう。チェコ映画といえば、東京国際映画祭でグランプリを受賞した『コーリャ 愛のプラハ』、イジー・トルンカなどに代表される“チェコ・アニメ”の世界(これはちょっと特殊だ)などがあるのだが、どれもが小規模の公開で、大々的に劇場公開された作品はないと思う(チェコ映画自体も年間20本程度しか製作されていないのでそれも仕方ないだろう)。もちろん、このチェコで受け入れられる映画の中心となるのは“ハリウッド映画”なのだが、この『プラハ!』は国民の20人にひとりが観るほどの大ヒットを記録し、舞台などにも発展した作品である。
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  物語の舞台は「プラハの春」を謳歌するチェコスロヴァキアのプラハ、と言っても「プラハの春」自体を知らない方も多いと思うので、簡単に説明しておきたい。「プラハの春」とは社会主義政権下のチェコスロヴァキアで進んでいた改革運動のこと。党(共産党)による新しい社会主義モデル(社会主義的資本主義の色合いが濃かった)という方向性に端を発して広がっていったこの改革運動は1968年の4月から夏にかけてという僅か数ヶ月の期間で潰えている。それは「プラハ動乱(チェコ事件)」と呼ばれるソ連が率いるワルシャワ条約機構の軍隊による侵攻があったためだった。ソ連からすれば、このチェコスロヴァキアの行動は反革命的な行為でしかなかったのだ(同じくソ連軍に鎮圧された動乱として、民衆蜂起であった1956年の「ハンガリー動乱」がある)。結果的にチェコスロヴァキアは1989年の共産党政権の崩壊まで民主的政権の道が閉ざされることになる。
  「プラハの春」は突然やって来たわけではなく、1960年代以降の経済、政治改革の中で生み出されてきた流れである。僕自身は知らなかったのだが、この頃のチェコでは他国と同様にポップ・カルチャーの影響が広がり、映画界からは“チェコのヌーヴェル・ヴァーグ”ともいうべき、ヴェラ・ヒティロヴァ監督の『ひなぎく』などの作品、才能が登場し、大きな注目を浴びている。ただ、こうした流れも「プラハ動乱(チェコ事件)」で潰えてしまうわけだ。
  この『プラハ!』が描くのはそんな「プラハの春」に覆われた自由とその当時のポップ・カルチャーである。カラフルでポップな60年代のファッションに身を包んだ女の子たちが歌い、踊りながら進んでいくミュージカル・スタイルのこの作品は、高校卒業も間近の女の子たちが理想的な恋人とのロスト・ヴァージンを夢見、そんな男の子たちに出会うというどこにでも転がっているようなラブ・ストーリーである。でも、ちょっと違うのは男の子たちはアメリカのサンフランシスコに自由を求める、軍隊からの脱走兵であり、この自由な気風はある日を境になくなってしまうということだろう。そのある日の「プラハ動乱(チェコ事件)」が起こったからといって ロスト・ヴァージンへの憧れ、ファッションへの関心が失われるわけではないのだが、上から大きな重石が眼に見えるものにも見えないものにも圧し掛かる時代へと戻ってしまうのだ。だから、ここで描かれているのは“束の間”の輝ける時代なのだ。
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  このミュージカルで歌われる曲のほとんどはアメリカンポップスで括られるヒット曲のチェコ語によるカバー・バージョンである。職業作家(キャロル・キングなどもそうだった)が生み出していたこういった曲はスタンダードとして多くの音楽ファンに愛されているが、全盛期は短かった。これも“束の間”だ。当たり前だが、青春時代の憧れるような恋というのも“束の間”だ。こういった“束の間”の幸福な要素が、“束の間”「プラハの春」という時代に重なってくる。ここがこの作品の妙となっているのではないだろうか(スコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」が美しく、虚しく響くのもそういった意味で印象的だ)。
  物語自体はありがちなコミカルな青春ミュージカル映画なのだが、それだけでは終わらない“束の間”の要素が切なさがつのるエンディングのシーンはもちろん、様々な部分にこめられている(例えば、主人公の女の子のお父さんはボイス・オブ・アメリカ(アメリカの海外向けのラジオ放送)を好んで聞いている。画一的な軍隊に嫌気がさし、サンフランシスコを目指す若者以上に、この作品の中で現状に疑いを向け、最も自由を渇望しているのはこの父親だ)。
  もちろん、単純にポップでオシャレでもあるし、60年代の雰囲気が好きならファッション、音楽、主人公の女の子の美しさだけでも楽しめる作品だと思う。そのあたりはもちろん、監督がこの作品に込めたであろうものを感じ取ってもらえればと思う。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「恋に焦がれる女子高生3人、自由に焦がれる脱走兵3人。彼らは忘れられない恋へと落ちていく」
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 1968年夏のプラハ。自由で開放的な雰囲気に包まれたこの都会の片隅にある町に暮らす卒業を間近にしたテレザ、ブギナ、ユルチャの女子高生は恋とロスと・ヴァージンに憧れている。この日もカフェで同級生の男の子たちがモーションをかけてくるが、相手にするそぶりすらない。そんなある日、テレサは駅で理想的な男の子に出会う。彼の名はシモン。彼と行動を共にするボプ、エマンは軍隊を脱走し、自由のサンフランシスコを目指している途中でこの町に立ち寄ったのだった。その後、熱い恋を求める女子高生たちと自由を求める男の子たちは自然と惹かれあっていき、恋に落ちていく。しかし、男の子たちには脱走兵としての手配書、プラハにはソビエトの手が近づいていた。
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