「森が人を襲うようになってしまった300年後の地球で、少年は過去から来た少女に出逢った」
月面から樹木が巨大化し、龍のような怪物となって地球に襲いかかる。爆発による激しい閃光が地表を包んで、未曾有の大災害が地球全土を覆う。遺伝子を操作して植物をあやつろうとした人類の愚かな計画の失敗から、やがて300年の歳月が流れた・・・。
“森”が意思を持って人を襲うようになってしまった地球で、人類は“森”と共生しようとする人々と、“森”と敵対する人々とに分かれて生き延びていた。“森”との共生を模索する『中立都市』に暮らすアギトたちは、そんな荒れ果てた環境にもめげずに、たくましく愉快に暮らしていた。 ある日、アギトは親友のカインとともに、踏み入れてはいけないと言われている泉に水を汲みに出かける。そこで不思議な光を放つ機械を発見した彼は、その中から現れた美しい少女トゥーラと運命的に出逢う。彼女は300年もの間、眠りについていた過去の人間だった。
『中立都市』に滞在することになったトゥーラは、変わり果てた世界に激しい衝撃を受ける。崩壊したビルに居を構え、電気も水道もなく、泉まで水を汲みに行かなければならない生活は、文明社会から来た彼女を困惑させた。『中立都市』の人々は彼女に優しく接してくれるが、森林が獣のように襲いかかって来たとき、ついにトゥーラは感情を爆発させてしまう。
そんなとき、“森”と敵対している都市・ラグナから、やはり過去から来たという男・シュナックが現れた。彼は、トゥーラが世界を正常化する装置の鍵を握っていると告げて彼女を連れ出してしまう。だがその使命には、大きな危険がともなっていた。そんなトゥーラを救うために、“森”と契約して禁断の力を手に入れ“銀色の髪”に変わるアギト。ふたりを翻弄する<使命>と<禁断の力>は、謎に満ちた物語をどこへ導くのだろうか? |