「組長の死、そして新たに就任するちょっと訳ありの組長の息子、その息子を狙う男の存在」
物語は組員の殺しを行った人物の引渡しを巡って対立するヤクザ組織の交渉のシーンから始まる。一触即発の緊張感とそれが爆発してしまった瞬間に想像もしていない出来事が起きる。一方の組長がもう一方の組長を身を挺して守ったのだ。この行為により、これまでの対立は全て無に帰り、手打ちが行われる。しかし、この手打ちに納得しない少年がいた。殺された組員は彼の父だったのだ。
それから25年の時が流れる。あの時の組長である洪一は病気による死を迎えようとしていた。跡取りのいないはずの洪一だったが、彼の口から息子がいることが右腕的存在のハチに打ち明けられる。その息子を新たな組長にすべく、ハチと部下で息子のキンはタイへと向かう。内緒だが組長の息子はゲイらしいのだ。なんとか組長の息子に出会えたふたりは息子と同居していた青年と共に香港へと戻る。実は彼らが組長の息子だと思っていた青年は別人で、彼の補佐役として一緒にやって来た青年が本物だということなんぞ組長が亡くなった今では知る由もない。そしてこの組長の息子の存在を恨みを晴らす好機と感じていた男がいた。それは25年前に父親を殺されたあの少年だった。 |