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『親密すぎるうちあけ話』

配給:ワイズポリシー
オフィシャルサイト:
http://www.wisepolicy.com/confidences_trop_intimes/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
サンドリーヌ・ボネール
ファブリス・ルキーニ
ミシェル・デュショーソワ
アンヌ・ブロシェ
ジルベール・メルキ
ローラン・ガムロン
監督、脚色:パトリス・ルコント
製作:アラン・サルド
脚本、台詞、脚色:
  ジェローム・トネール
撮影:エドゥアルド・セラ
編集:ジョエル・アッシュ
美術デザイン:イヴァン・モシオン
衣装デザイン:
  サンドリーヌ・カルネール
音楽:パスカル・エスティーヴ

2004/フランス/カラー/35ミリ/
1:2.35 シネマスコープ/
DTS,ドルビーデジタル/1時間44分


イントロダクション
「ある女性が精神科医と間違え、会計士の男に夫婦関係の不和を告白することから始まるコミカルでサスペンスフルで深い後味を残す、パトリス・ルコント監督による極上の大人のラブ・ストーリー」
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(C)Les Films Alain Sarde/WISEPOLICY 
 自分が大好きな監督から届けられる新しい作品を楽しみにしている方はもちろん多いと思う。でも、ほぼ1年に1作の割合で定期便のように作品を届けてくれる監督は稀である。今やフランス映画界の顔であるパトリス・ルコント監督はそうした中でもコンスタントに作品を届けてくれる監督だ。今回紹介するのはそんな彼の新作『親密すぎるうちあけ話』である。
 パトリス・ルコント監督は毎年のように新作を観ている印象があったのだが、フィルモグラフィーを改めて覗いてみると、昨年(2005)などは劇場公開された新作はない。しかし、ルコント監督は2004年にこの『親密すぎるうちあけ話』と『パトリス・ルコントのDOGORA』(今秋、公開)という監督自身が出合った運命の1曲に関するドキュメンタリー作品、2006年には自身の出世作ともなったコメディ『レ・ブロンゼ』シリーズの27年ぶりの新作、ダニエル・オートゥイユ主演による新作の公開を予定している(本国のフランスでの話)。日本ではフランス本国の公開から多少の時間的な遅れが生じるのだが、1年に1本以上というコンスタントなペースで作品を撮り、発表し続けていることだけは間違いない。
  日本でルコント監督が認知されたのは、最初の劇場公開作である『髪結いの亭主』の大ヒットだった。その後、過去の作品はもちろん、最新作も確実に劇場公開されてきている。巨匠と呼ばれる監督の作品すら劇場公開が見送られることも多い、フランス映画の日本での現状を考えれば、貴重な存在でもある。しかも、その作風はコメデイ、ラブ・ストーリーなど幅広いのも魅力的だ(今年は先のドキュメンタリーまで公開される)。今回の作品は人間の勝手な思い違いが生じさせるコミカルでちょっとサスペンスフルなラブ・ストーリーである。
  物語はひとりの女性が足早にある建物へと向かうシーンから始まる。目的地であるビルへと入り込んだ女性は、メロドラマを楽しんでいる管理人の女性にそのビルにいるドクターの部屋番号を尋ねる。エレベータへと向かう彼女の後姿をじっと見守る管理人の女性。「女性とドクターは逢引でもするのだろうか」とこちらは想像を膨らませるが、彼女は部屋に飛び込むなり、どうしてもカウンセリングがして欲しかったとその場にいた男に夫との関係がうまく行っていないという自分の悩みを一方的に話し、次の面会の予定まで決め、帰ってしまう。「夫婦間の不和の物語か」という想像がここで拡がってくるのだが、その想像もあっさりと裏切られる。彼女がドクターだと思っていた男はドクターではなく、同じフロアにオフィスを構える会計士。あせりのあまり、彼女が部屋を間違え、一方的に勘違いをしたことから生じた医師ではない医師と患者のカウンセリングが始まっていく。
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(C)Les Films Alain Sarde/WISEPOLICY 
  男は長年一緒に暮らしてきた女性と別れたばかりで未練と寂しさを抱えている。そんな時に現れた女性の信じられない告白、打ち明け話に男は興味津々に耳を傾けていく。でも、偽医者と患者の関係は永遠に続くわけがない。あっという間にその嘘はばれる。ばれたときには男は女に深い興味を抱いている。なんとか彼女と連絡を取りたいと願い、その願いが通じたのか、全てを承知した上で彼女は男に対し告白をし、逆に男を問い詰めていく。ふたりの間には共通した空気が出来上がる。女性が絵画にけちをつければ、それを変え、チープなおもちゃを気に入ればそういったもので部屋を飾り、毎日ネクタイなのねと言われば、ノーネクタイで仕事に臨む。嬉しさの余り、クラシックのレコードをソウル(ウイルソン・ピケット!)のレコードに変え、ひとり踊りまくったりもする(ここはその気持ちがすごく伝わってくるいいシーンだ)。でも、こうした関係も永遠のものになるわけではない。そこには彼女の夫という存在があり、それが大きなサスペンスへと繋がっていく。
  ルコントの恋愛映画といえば、“ダメ男”なのだが、この作品でも優しすぎ、あと一歩を踏み出せないという“ダメ男”をファブリス・ルキーニがルックスからしてはまり役のように演じている。聞き役でありながら、困ったことになると彼女が通うはずだった精神科医に相談し、その度ごとにカウンセリング料を取られていく。そのカウンセリングは自分が医師としてどうすればいいのかという単なる相談なのだが、それも男の恋にとっては必要不可欠なことである。そんな男に間違って身の上相談をし、出会いのきっかけを作ってしまった女性を演じるのは『仕立て屋の恋』も印象的だったサンドリーヌ・ボネール。人生に疲れ果てた女性が相談を通し、ファッション、身のこなしを変化させ、ミステリアスで魅力的なっていく様が本当に素晴らしい。こうした彼女を観るだけでも十二分の価値がある作品であり、何作もの代表作がある彼女の中でも最も印象的な作品のひとつとなるはずだ。
  映画のオープニングテロップのシーンに挟み込まれる早足で歩く女性の足もと、ここからして「ルコントだなー」と感じさせるこの作品は、そうしたルコントらしいムードとシンプルだけど先が読めない要素の中で進んでいく。男は明らかに女性に恋をしているが、女は思わせぶりなそぶりを見せながらも偽の医者と患者という関係を崩そうとしない。そこに彼女の夫の存在が絡み、恐怖、サスペンスが舞い込んでくる。この恐怖は男を脅迫するが、跳躍する勇気をも与える。でも、そうした結果が芳しいものになるとは限らない。そうした部分は素晴らしい余韻のエンディング・シーンまで本編を観て、楽しんでほしい。
  ルコントは2人の関係から生じる心の変化の物語を数多く作ってきたが、そのどれもが「いい!面白い!」という映画的充実感が味わえるといっても過言ではない。こうした作品の中でも、この『親密すぎるうちあけ話』は極上のものだと思う。どこにでもあるような、似たようなものもありそうな話、それがルコントの手で料理されるとここまで上質なのものになり、こちら側にうちあけ話をされているような気までしてしまう。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「精神科医だと勘違いし、同じフロアの会計士の男に夫との不和を語る女性、彼女と男は徐々に親密になっていく」
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(C)Les Films Alain Sarde/WISEPOLICY 
 街を足早に歩いていくひとりの女性。彼女はあるビルに入り、管理人にある医者の部屋番号を聞き、エレベータでその部屋へと向かう。すぐに部屋へと入った彼女は相手に話す隙も与えずに予約が取れないのは分かっていたがどうしても話を聞いて欲しいのでやって来たと自分と夫の関係がうまく行っていないことを語り、次の予約も自分で決め、足早に去ってしまう。彼女は夫との不和を精神科医に話したと思っていたが、彼女が話した相手はそこで会計事務所を営む会計士の男モニエだった。同じフロアにある精神科医の部屋とモニエの事務所の部屋を女性が勘違いしたために起こった出来事だったが、長年の恋人と別れたばかりのモニエは彼女の話に興味を持ち、医者のふりをして彼女とのカウンセリングを続けていくことになる。
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