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『青いうた〜のど自慢青春編〜』

配給: シネカノン
オフィシャルサイト: http://www.aoi-uta.com/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
濱田岳
冨浦智嗣
落合扶樹
寺島咲
斉藤由貴
緑魔子
豊原功補
魚谷輝明
岡本奈月
平田満
木下ほうか
甲本雅裕
団時朗
室井滋
由紀さおり
監督:金田敬
製作:李鳳宇
    細野義朗
    河井洋
プロデューサー:椎井友紀子
脚本:斉藤ひろし
撮影:志賀葉一
編集:菊池純一
美術:石毛朗
音楽:加藤和彦

data2006/日本/カラー/1:1.85/
ドルビーSR/1時間55分


イントロダクション
「井筒和幸監督の作品『のど自慢』の設定を借り、生まれた、中学卒業から1年間の少年少女の成長と繋がりを描いた楽しくも感動的な青春群像劇」
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(C)2006『青いうた』製作委員会
 1999年に公開され、大きな話題となった井筒和幸監督による作品『のど自慢』。室井滋、  尾藤イサオ、大友康平 、竹中直人、松田美由紀 などの個性的なキャストにより綴られた笑わせながらも最後には感動につながっていく井筒監督らしい人情喜劇ドラマであるこの作品を憶えている方も多いだろう(続編の『ビッグ・ショー!ハワイに唄えば』も製作された)。この『のど自慢』の設定を借りて綴られる楽しくも感動的な青春群像劇が公開される。それが今回紹介する『青いうた〜のど自慢青春編〜』である。
 物語の舞台は下北半島に位置する本州最北端の市である青森県むつ市。ここに中学校の卒業を間近に控えた少年、少女たち4人がいる。ひとりはちょっと問題を起こし、卒業が1年遅れた少年、ひとりは周りから「馬鹿」とからかわれる純真で子供っぽい彼の弟、ひとりは医者の息子で跡を継ぐために東京の高校への進学が決まっている少年、もうひとりは美容師を目指し、昼は美容室のアシスタント、夜は美容学校へ通うことが決まっている少女である。歌うことが大好きだった弟は合唱部を辞めさせられることになり、兄と共にコーラス・グループを組み、卒業パーティーで歌うことを目指す。そのメンバーとして、兄を含めて嫌々な気持ちを抱えながら集められたのが、彼らだった。練習をしていくうちに気持ちが通じ合ってきた4人は卒業パーティーに臨むが、彼らが歌う直前に兄と対立する不良グループが乱入し、会場はめちゃくちゃになり、歌を披露することが出来ずに終わる。そして卒業。東京へと進学した少年、美容師を目指す少女、中華料理屋に就職した弟、地元の工場に就職した兄はそれぞれの道を進みながらも壁にぶち当たっていく。
  先に『のど自慢』という作品の設定を借りたと書いたが、この作品は4人の再会の舞台として「のど自慢」という設定があると考えた方がいいと思う。極端な話をすれば、「のど自慢」でなくても良かったともいえるだろうが、「のど自慢」でなければならなかった必然は物語の中にきちんと閉じ込められている。『のど自慢』、その続編の『ビッグ・ショー!ハワイに唄えば』を監督した井筒監督は「日本中のどこだって歌と人生はある。だから、ボクは舞台となる次の場所を探してもう一度、『のど自慢』を撮ってみたかった」とこの作品について語っているが、卒業パーティーで歌えなかったこと、その気持ちがどこかで繋がり、ひとつのけじめと成長になっていく様子がこの作品にはきちんと描かれている。
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(C)2006『青いうた』製作委員会
  親の要望に沿い、東京の高校へと進学した少年は自分の進むべき道に大きな疑問を感じ続け、純真な弟はチャーハンを作りたいという気持ちから中華料理屋に就職したのに皿洗いしかまわしてもらえない。兄と少女は卒業前のコーラスの頃から気持ちが通じ始め、付き合い始めるが、現状に満足できない兄が東京へと飛び出したことからお互いの関係も気持ちもギクシャクしてくる。兄は母から渡されたなけなしの貯金を疑問を感じながらもそそのかされるように怪しい仕事へと投資していく。それは東京で成功しなければ、金持ちにならなければ顔向けが出来ないという裏返しの気持ちから生じたことでもあった。自分の意思を不器用に貫徹しようとしてみたり、上手くいかない状況を抱え込んだり、人に裏切られたり、信用を勝ち得たり、そして恋に悩んだり、4人は故郷にいようが、離れた地にいようが、それぞれがどこかで互いのことを考えながら成長していく。
  物語のクライマックスはあの卒業式のパーティーからほぼ1年後、彼らの故郷むつ市で開催される「のど自慢」のTV中継である。チャーハンも任されるようになった弟の想いから、彼らはそこに出場せざる得なくなる。でも、兄にだけどうしても連絡が取れない。4人でないと出場しないという弟を説得して出場する3人、その頃、兄は大きな人生の選択に直面してた。
  こういう言い方をするのもなんだが、井筒監督による『のど自慢』と続編の『ビッグ・ショー!ハワイに唄えば』は人情喜劇の喜劇的要素が強かったが、今回の『青いうた〜のど自慢青春編〜』は喜劇的な要素ではなく、少年の成長的な要素が相当に強く、そこがこちら側の胸を打つ作品となっている。彼らの立つ位置は中学を卒業して、自らの手で働いたり、親元を離れて進学したりと、どこか親掛かりであろうが最初の“独立”という地点である。そしてまだ大人とはいえないからこそ生じる無謀な夢、切実な夢、親との葛藤、初めて人を愛する気持ちを描いている。こうした部分にはきっと観る側それぞれの想いが入り込んでいくはずだ。
  こうした大人なら誰もが経過してきたであろう、成長や葛藤を演じる4人の少年、少女の俳優たちが本当に素晴らしい。子役としても活躍してきた俳優暦も年齢の割には長い彼らであるから、撮影現場での感も素晴らしかったということだが、中でも純真な弟を演じた冨浦智嗣が際立っている。主演の4人の中でも最も大きなパートを割かれるのは兄を演じる濱田岳なのだが、この物語は弟のダイアローグで進み、弟の勝手な応募で「のど自慢」が決まりなど実は弟が3人の繋がりを維持しており、他の3人は純真な弟を守ろうとしている。この弟の純真さ、どこかが抜けたような感覚を冨浦智嗣が見事に演じたからこそ、この作品はそれぞれの成長の物語として見事に成り立ったのだと思う。
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(C)2006『青いうた』製作委員会
  監督はこの作品が一般劇場デビュー作となる、Vシネマの世界を中心に活躍し、ピンク映画大賞新人監督賞も受賞している金田敬。少年たちをセレクトし、演出した手腕はもちろんだが、ゆったりとし、落ち着いた映像の中でみせる田舎から見た東京の風景、故郷の風景、特にバスの窓越しに主人公たちの心象と重なるような映像の捉え方が印象に残る、今後の作品も大いに期待できる監督だ。
  少女の母親役を演じる斉藤由貴が「のど自慢」で歌ったりとその世代にとっては「おー」というようなシーン、『のど自慢』繋がりで室井茂があの演歌歌手で登場するシーンがあったり、親、大人の子供たちに対する葛藤や出会いなど効果的に描かれているのだが、なんといったって少年、少女たちの成長が胸を打つ良作である。『のど自慢』が好きだった方はもちろん、日本映画らしさが感じられるじんわりとくる感動作画好みの方など、ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「結成したのに歌えなかったコーラスグループ、中学を卒業後、その4人は様々な壁にぶち当たり、成長していく」
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(C)2006『青いうた』製作委員会
 青森県むつ市。ここに卒業を間近に控えた中学生たちがいた。ひとりは問題を起こしたことから卒業が1年遅れた達也。ひとりは彼の弟で純真な良太。もうひとりは卒業後に東京の高校への進学が決まっている俊介。そして美容師を目指すことが決定している恵梨香である。
 歌を歌うことが好きで、合唱部に所属している良太は声が高く、いつも女子のパートに引っ張られてしまうことから、卒業パーティーでの発表を前に先生から辞めることを勧められる。その時、先生は「兄貴と歌え」と良太にアドバイスをする。対立する不良グループにつけねらわれる達也は弟思いであり、幼い頃に自分が良太のために残したカセットテープが良太に歌わせる原因となっているのを知っているから、嫌々ながらも歌うことを決め、俊介、恵梨香をメンバーとして集め、「リョーターズ」を結成する。達也と恵梨香はお互いに思いを寄せ始め、カラオケスナックなどでの練習を重ねながら、ついに迎えた本番だったが、彼らが歌う番になって、達也と対立する不良グループが乱入し、パーティーはメチャクチャとなってしまう。結局、彼らは歌えず、良太が来年の卒業パーティーで歌う約束を先生から取り付け、それぞれの道へと歩み出す。それは誰もが壁にぶつかる道だった。
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