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『愛より強く』

配給:エレファント・ピクチャー
オフィシャルサイト:
http://www.elephant-picture.jp/aiyori/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ビロル・ユーネル
ジーベル・ケキリ
カトリン・シュトリーベック
グーヴェン・キラック
メルテム・クンブル
セム・アキン
アイゼル・イスカン
デミール・ゲクゲル
シュテファン・ガーベルホッフ
ヘルマン・ラウゼ
アダム・ボウスドウコス
ラルフ・ミスケ
メメット・カルトゥラス
監督、脚本:ファティ・アキン
製作:ラルフ・シュヴィンゲル
     シュテファン・シューバート
撮影監督:ライナー・クラウスマン
編集:アンドリュー・バード
セット・デザイン:ターモ・クンツ
衣裳:カトリーン・アッシェンドルフ
音楽コンサルタント:クラウス・メック

*第54回ベルリン国際映画祭
  金熊賞、コンペティション部門
  批評家賞 受賞
*2004年 ヨーロッパ映画賞
  最優秀作品賞
  観客選出監督賞 受賞
*2004年トルコ・ドイツ映画祭
  女優賞、男優賞 受賞
*2004年ドイツ映画賞
  作品賞、監督賞、男優賞
  女優賞、撮影賞 受賞
*2005年全米映画批評家協会
  外国語映画賞
*その他、各地映画祭にて受賞

2004年/ドイツ/35mm/カラー/
ビスタサイズ/ドルビーデジタル/
2時間1分


イントロダクション
「ベルリン国際映画祭のグランプリをはじめ、各地の映画祭で多数の受賞、ヨーロッパ映画界から登場した新鋭ファティ・アキン監督が描く骨太で圧倒的なパワーに満ちたトルコ系ドイツ人の愛の物語」
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 ベルリン国際映画祭のグランプリに当る金熊賞、コンペティション部門批評家賞、ヨーロッパ映画賞の最優秀作品賞、観客選出作品賞、ドイツ映画賞では作品賞、監督賞、男優賞、女優賞と主要部門を独占、その他の各地の映画祭において数え切れないほどの受賞、ノミネートを重ねるなど、2004年から2005年にかけて、ヨーロッパを中心に大きな話題となったのが、ここで紹介する『愛より強く』である。
 この作品の監督である(脚本も手掛けている)ファティ・アキンはこれが5本目の長編作品となる若き新鋭監督である。日本ではこの作品が始めての劇場公開作となるが(長編2作目に当る『太陽に恋して』も同時公開されるので、一部の映画ファンには日本でのファティ・アキン監督の年として記憶されるかもしれない)、長編デビュー作がロカルノ映画祭の銅豹賞をはじめ、9つの映画賞を受賞するなどデビュー時から大きな注目を集めていた。その後、劇映画だけでなく、ドキュメンタリーも撮るなど多彩な才能を示しているのだが、その作品の背景には自らのルーツ、社会的な視線があると想像できる。その自らのルーツとはドイツで生まれたトルコ人移民の子供であること、正規、不法であろうが移民として底辺労働に従事しながら蔑まされてきたトルコ系ドイツ人という部分が相当に大きな影響を与えていると思う。
  この作品もドイツに暮らすトルコ人移民を主人公としたものである。その多くがイスラム教徒であるトルコ人移民だが、イスラム教の戒律に基づく厳格な生活をしている家族もいれば、そんな戒律どころこか、イスラム教自体を忘れ去り、暮らす新世代の移民、移民の子供たち世代もいる。物語は厳格なイスラム教徒の家庭を逃げ出したいと思っている女とそんな戒律など頭にもない男、いずれも移民としては2世に当る世代であろうふたりが偽装結婚をすることから始まる。自由を欲した女と愛する妻の死により人生に絶望していた男、男は彼女を助けられるならという軽い気持ちで偽装結婚をするのだが、次第に彼女を本気で愛し始めることで自らの失っていた人生を再び取り戻し始める。しかし、あくまで彼との結婚を偽装と考えている彼女は彼への愛以上に自由の象徴と考えるパート・タイム・ラブ、アルコール、ドラッグへとのめり込んでいく。
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  この作品は昔、付き合っていたガールフレンドから偽装結婚する気があるかと尋ねられた監督自身の体験が発端になっているという。これをネタに当初書いていた脚本はシチュエーション・コメディであったという。しかし、当初の構想はこの作品でも重要な要素となるトルコのエキゾチックな都市イスタンブールで過ごすこと、そこで多くの優れたトルコ映画に出会うことなどで大きく転換する。トルコ映画は“ネオ・レアリズム”ともいうべきドキュメンタリータッチの内容であり、イスタンブールにはトルコ系ドイツ人として感じざる得ないリアリティ、落差があったということからこの転換は生じている。結果的に出来上がったこの作品はシェイクスピアの戯曲のように古典的でありながらも骨太な、圧倒的なパワーに満ちたものになっている。それは多分、どんなに時間が経とうが古びることのないものである。
  骨太な作品の重要な要素となるのは対峙する伝統という部分であり、それを演じるふたりの役者だ。男を演じるビロル・ユネール(もちろん、トルコ系ドイツ人)はファティ・アキン監督の盟友ともいうべき存在で、この作品がコメディから転換した大きな要因にもなっている。女を演じるのはこの作品が初の映画出演となるシベル・ケキリ(こちらももちろん、トルコ系ドイツ人)。彼女はこの映画で絶賛を受けた後、ポルノ映画への出演が暴かれ、父親から勘当されるという自らが演じた役に重なるような騒動にも巻き込まれている。このふたりの奔放な、その日暮らしのような日々から苦悩へと至っていく様は本当に素晴らしい。
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  映画は章立てのようにトルコの伝統的な音楽を挟み込み進んでいく。この音楽がその肌触りと共に、その時の状況を表すような歌詞となっており、効果的だ。しかし、作品の主人公ふたりは伝統音楽ではなく、ロック、パンクにのめり込んでいる(男はライブハウスで働き、部屋の入り口には確かスージー&バンシーズのポスターが飾ってある。そして「PUNKS NOT DEAD」とお決まりのように叫び、騒ぐシーンもある)。実はドイツにはネオナチも含め、こういった連中は多いらしい(橋口譲二の本は大きな参考になるだろう)。また、作品の舞台であるハンブルグのトルコ人移民の遊ぶクラブや街並み、イスタンブールの裏的な部分を垣間見ることが出来るのも興味深い。
  とはいってもこの作品の素晴らしさは骨太な、圧倒的なパワーにあることは確かだ。トルコ人移民の多くが暮らすハンブルグからイスタンブールへ長い年月をかけて、この偽装のはずだった愛の物語は展開していく。大きな動脈のようなその物語はこちら側を捉え、移民の力強さというものも実感させる。タイトルも似ているがジプシーにルーツを持つトニー・ガトリフ監督の『愛より強い旅』が好きなら、間違いなく気に入るはずだ。ヨーロッパの新しい才能を確認する意味でもぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「妻を亡くし、生きる目的を失っていた男、家族からの自由を求めていた女、ふたりは偽装結婚をし、新たな人生を謳歌し始めるのだが」
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 バーでいつものように飲んだくれているジャイトはこの夜もちょっとしたいざこざを起こす。そして車で走り出し、スピードも落とさぬまま、壁に激突していく。それは愛する妻を突然亡くし、生きる糧を失っていた彼の自殺行動だった。
 精神病院で目覚めた彼はそこでひとりの見知らぬ女から「あなた、トルコ人よね」と声をかけられる。彼女の名はシベル。彼女はイスラム教の戒律に基づく厳格な生活、そんな家族から逃れるために自殺未遂を計ったのだが、それが彼女を解放することはなかった。彼女が自由になるには死か、同じトルコ人と結婚することのみだった。だから、彼女はジャイトに声をかけたのだった。その後も病院でジャイトを見かけるたびに彼女は「あなた、トルコ人でしょ。私と結婚して!」と声をかけていく。なんとなく親しくなり、病院内では禁止しているビールの差し入れも彼女から密かに手に入れられるようになったジャイトは彼女の立場に同情し、偽装結婚を受け入れる。この結婚によりシベルは自由を手にし、男、アルコール、ドラッグをやりまくるが、ジャイトの中には彼女への強い愛情が生じ始めていく。しかし、この愛情は自由を謳歌する彼女に受け入れられず、悲劇的な出来事が起こってしまう。
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