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『歓びを歌にのせて』

配給:エレファント・ピクチャー
オフィシャルサイト:
http://www.elephant-picture.jp/yorokobi/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ミカエル・ニュクビスト
フリーダ・ハルグレン
ヘレン・ヒョホルム
レナート・ヤーケル
ニコラス・ファルク
インゲラ・オールソン
ペア・モア・ベア
アクセル・アクセル
ラッセ・ペタソン
バーブロ・コルベア
ウルヴァ・ルーフ
ウラ=ブリット・ノアマン
監督、脚本:ケイ・ポラック
プロデューサー:
  アンダース・ビアケラン
  ヨーラン・リンストロム
共同脚本:
   アンダース・ニューベア
   ウーラ・オルソン
  カリン・ポラック
   マーガレータ・ポラック
撮影監督:
  ハラール・グンナル・
              ポールゴール
編集:トマス・テンsfk
美術監督:
  モナ・テレシア・フォーセイン
衣装:ヘルヴィ・アンデア
音楽: ステファン・ニルソン

2004/スウェーデン/
ドルビーデジタル/2時間12分


イントロダクション
「舞台中に倒れた世界的な指揮者は少年時代を過ごした小さな村へと戻り、そこで聖歌隊の指導をすることで今までになかった音楽の楽しみ、人生の楽しみを手にいていく。スウェーデン国民の5人に1人が観た胸を打つ音楽ヒューマン・ドラマ」
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  今年(2005)公開された作品の中でフランス映画『コーラス』を最も印象に残ったもののひとつとして挙げる方も多いかもしれない。悪童だった時代に、いい恩師と出会い、コーラス隊に参加したことが今の自分の人生を作り上げたということを回顧形式で、ノスタルジックに語るこの作品は深い感動を与えてくれた。その『コーラス』をどこかで思い出させるような作品がこの年の暮れに公開される。それが今回紹介する『歓びを歌にのせて』である。
 物語は金色に輝く麦畑の中で美しいバイオリンを奏でる少年が仲間にいじめられるシーンから始まる。それは現在では世界的な指揮者となった彼の少年時代を過ごした小さな村での忘れらない、嫌な出来事であった。アグレッシブな指揮で熱狂的なファンを抱えるこの指揮者は8年作の予定まで埋まっているのだが、ある日、公演中の舞台で倒れてしまう。肉体的な問題から8年先の予定はもちろん、明日の予定も白紙となった指揮者は自らが少年時代を過ごした小さな村へと戻る。その村では名前を変えた彼を憶えている人物もいなかった。母親と一緒に過ごしたノスタルジーを感じながら、音楽から離れ、彼はこの小さな村で自分なりの再スタートを考え始めるのだが、そこに村の聖歌隊の指導者としての依頼が舞い込んでくる。
  この作品を監督したのはスウェーデンの映画監督ケイ・ポラック。1938年生まれだから、今年(2005)で67歳となる年齢的にはベテランの監督だが、実はこの作品が4作目の劇場監督作品である。寡作の理由は、前作『Love Me!』(1986)のスウェーデン公開初日の夜、当時の首相オロフ・パルメがストックホルムの路上で暗殺されたのにショックを受け、映画制作の現場から離れてしまったからである。そんな彼が映画の現場に戻るきっかけを作ったのは彼の妻だった。聖歌隊で歌う彼女を迎えに行っていたポラック監督は聖歌隊に興味を持ち、ひとつの大きな文化を形作ってもいる「聖歌隊とは何なのか」ということに興味を持ち、そのリーダーと話し合うなどしながら色々と学んでいく。そして完成した脚本をプロデューサーに見せ、プロデューサーもその内容の素晴らしさから映画化を即決する。こうしてポラック監督の18年ぶりの映画監督、映画現場復帰作が生まれることになった。作品は公開と同時に圧倒的な支持、評価を持って受け入れられ、スウェーデン国民の5人に1人が観た計算になるほどの大ヒットを記録し、今年のアカデミー外国映画賞にもノミネートされた。
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  出演者には『エヴァとステファンとすてきな家族』のミカエル・ニュクビスト、『キッチン・ストーリー』のレナート・ヤーケルというスウェーデンを代表する俳優、音楽業界で活躍していたヘレン・ヒョホルム、舞台を中心に活躍してきたフリーダ・ハルグレンなど個性豊かな面々が集結。彼らは本当に素晴らしい演技を示している。
  アグレッシブな指揮者は自分が管理しているのではない8年先の予定まで埋まっている、自分が選んだこの道に辟易している。音楽を愛する気持ちは人一倍強いのにそれが彼自身の満足へとは昇華していかないのだ。そんな彼が心臓の問題によりリタイアせざる得なくなる。全くの白紙になったスケジュールと自分の人生を前に彼は、嫌な思い出と自分にとって大切な母親の思い出が交じった少年時代をすごした小さな村の小学校を買い取り、移り住む。この村を出てから名前も変えている彼は過去を悟られる心配もないのだ。移住して最初の日、雪の中、薄着に裸足で外へと飛び出し、両手を天高く広げ、喜びをあらわにするシーン、その夜、あまりの寒さに身を抱えるようにしてひとり椅子に足を浮かして座り、震えるシーンが印象深い。ピアノは搬入されているが、音楽に打ち込む気もないし、それを続けるかどうかすら分からない彼は白紙の、ゼロの自分を楽しもうとしている。彼の名声から聖歌隊の指導者にしようと動く人物も現れるが、そういった会合に顔を出すものの関わらないようにしていく。全てを断っていくのだ。でも、彼は結果的に聖歌隊の指導を自らの手で引き受けることを決意する。それは村の住民たちの優しさと熱意であり、少年時代の彼を徹底的に痛めつけた男がその妻に暴力を振るっているシーンを見たからだった。彼女は聖歌隊の団員だったのだ。
  ものすごく下手糞な、自己顕示欲が強かったり、仕切り屋だったり、罪深いほど敬虔な信徒などが集まった聖歌隊に接して、最初に彼は歌を歌うのではなく、自分の声のトーンを発見するという練習を開始する(これも彼のコネクションで教えてもらった練習法だ)。まるでパーティーのようにバカ騒ぎの中で行われる練習は保守的な村に多少の波紋を巻き起こしていくが、団員は揉めながらも最初の大舞台である発表会(コンサート)を目指し、さらにその先を目指していく。その中で彼自身も自分にとって大切なものを手にしていく。
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  この作品のキーとなるのは音楽をやることの楽しみであり、自信を持って自分らしく生きるということだろう。聖歌隊の面々は身勝手な奴もいれば、様々な問題を抱えている人間もいる。その最たるものが、家庭内暴力を受けている女性である。指揮者は彼女を音楽で立ち上がらせようと発表の舞台でソロを取らせることを決定する。夫の暴行により、練習にすら満足に参加できないことがある彼女は脅えるが、そこでの成功を機に大きく変わっていき、仲間たちも体を張って、彼女を守っていく。指揮者自身はこの聖歌隊にいる別の男遊びが奔放な女性に恋心を抱き始める。乗ったこともない自転車に乗る練習も始める。音楽しかやってこなかったから見えなかった世界が彼の周囲には存在している。しかも彼の理想とする形で音楽にも打ち込めているのだ。練習の最初で自分が持っている、自分しか持っていない声、音を確認しあったように、彼らは自分らしい生き方、あり方を見つけ、それを共鳴しあっていく。それが最高の形で実証されるラストシーンは鳥肌が立ち、胸が震える感動を生み出していく。
  すごくシンプルな人間ドラマだが、2時間以上の上映時間にも関わらず、そういった長さは一切感じさせない。それはこのドラマが人間味溢れているからであり、その先の展開が気になって仕方ないからである。役者のうまさはもちろん、音楽の素晴らしさもあるが、何より音楽の持つ力について、これほど明確に力強く描いた作品も稀だと思う。作品の中で村の保守的な住民が聖歌隊に、指揮者に、何より音楽に嫉妬するのも頷けてしまう。そして世界には本当に素晴らしい作品があるんだということを納得させる作品でもある。ぜひ、劇場でこの感動を味わってください。

ストーリー
「肉体的な問題からリタイアした世界的な指揮者は少年時代をすごした小さな村に居を構え、聖歌隊の指導者として音楽の楽しみ、人生の楽しみを取戻していく」
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  ダニエル・ダレウスは世界的な成功を手にした指揮者であり、8年先の予定まで埋まっている。そのアグレッシブな指揮に観客は熱狂しているが、ダニエル自身はどこか満たされない想いも抱えていた。ある日、公演中にダニエルは倒れてしまう。彼は心臓に大きな問題を抱えていたことから、活動の中止を余儀なくされる。8年先のスケジュールはもちろん、明日のスケジュールさえ存在しない真っ白な状態へとなったダニエルは自分が少年時代を過ごした、嫌な思い出もあるが、愛する母との思い出にも満ちている小さな村の小学校を買い取り、移り住む。少年時代とは名前を変えている彼は住民に「あの少年だ」と気づかれることもないが、有名な指揮者の移住に村人は自分の歌を聴いてくれとテープを渡したり、牧師は聖歌隊の指導者となってくれと近づいてくるが、音楽活動自体を考えていない彼は断り続ける。しかし、彼は村人の熱意と、ある出来事をきっかけに聖歌隊の指導者になることを決意する。
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