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『わたしの季節』

配給:協映
オフィシャルサイト:
http://homepage2.nifty.com/kyoeistudio/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ


監督:小林茂
撮影:小林茂
   松根広隆
編集:佐藤真
   秦岳志
音楽:川村年勝

*第59回(2004年)
  毎日映画コンクール
  『記録文化映画賞』受賞

2004/日本/16ミリ/カラー/
1時間47分


イントロダクション
「生きるとは何なのかということを感じさせ、胸を打つ、重症心身障害児(者)施設 第二びわこ学園を捉えたドキュメタリー作品」
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  ドキュメンタリー映画が流行っているという状況はすでに超え、ドキュメンタリー映画の劇場公開は完全に定着した感がある。ただ、その流れは音楽映画などエンタティンメント的な作品が中心で、一般的にドキュメンタリーとして捉えられているであろう社会時事的な作品が劇場でロードショー公開されることは少ない(例えば、そうした作品専門のミニシアターとしてオープンした“ボックス東中野”は閉館となった。ただ、劇場公開されないだけで、こうしたジャンルの作品は地道に製作され続けている)。今回紹介するのはそうしたドキュメンタリー作品として括ることが出来るであろう作品『わたしの季節』である。
 この作品『わたしの季節』の舞台となるのは滋賀県野洲市にある重症心身障害児(者)施設 第二びわこ学園。主人公はもちろん、そこで生活をする重症心身障害児(者)たちである。障害者、心身障害者という表現は普段から聞きなれているのでイメージできると思うが、重症心身障害児(者)とは「重度の知的障害および重度の身体的障害が重複している人たち」を示している。その症状はもちろん千差万別だが、僕たちが一般的に障害者と感じている人々の中で最も症状が重いと判断される人々と考えていいと思う。第二びわこ学園はこうした重症心身障害児(者)たちが生活する施設である。
 作品製作のきっかけとなったのは1963年に西日本で最初の重症心身障害児(者)施設として開設されたびわこ学園に続き、1966年に開設された施設 第二びわこ学園の校舎の老朽化が激しくなり、新築移転計画が動き始めた2000年のこと。「ここで40年間、生きてきた証を残したい。」というびわこ学園の職員や家族たちの思いが昂じた結果が、この作品に繋がったのだという。作品は第二びわこ学園にとってはひとつの記録であるかもしれないが、学園の歴史や横顔を前面に押し出して紹介するのではなく、そこで暮らしてきた重症心身障害児(者)たちに対してきちんと向き合うことにより、重症心身障害児(者)とはどんな人々なのかを感じ、生きるとは何なのかを感じさせるものとなっている。
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 監督は小林茂。日本のドキュメンタリー映画史上に残る傑作『阿賀に生きる』の撮影により日本映画撮影監督協会第1回JSC賞を受賞。その他、多くの作品の撮影監督や自らの作品の監督、撮影を重ねてきている。写真家としても活躍し、第二びわこ学園のびわ湖周歩の記録である写真集「ぱんぱかぱん」なども発表している。
 この作品でもっとも印象的であり、特徴的なのはナレーションがないということだろう。一般的なドキュメンタリー作品にとっては状況説明などとして使用されるナレーションが一切ないのだ。ナレーションの代わりに挿入されるのは言葉による説明、テロップである。しかし、それも必要最小限の施設に入っている患者などのプロフィールに限られている。小林監督はこの作品について「人としての“存在感”と“こころの声”を拠り所に、ふかいところでいのちの根源を見つめた映画です。決して、障害を持つ人々が社会の中でどう処遇されるべきか、ということを問うた映画ではありません。ただ、ひたすらに、映画に登場する人々と直に対面してくれることを願っています。」と語っている。状況説明となるナレーションを排し、最低限の説明であるテロップのみとした意図もこの監督の発言を聞けば、自ずと理解できる。そして、作品を観れば、人間、生きるということを必然的に感じ、考えてしまう。見た目は普通なのにスーパーに買い物に行くと手当たり次第に商品を籠に入れ、買ったものを手当たり次第に開け、食べまくる男性、恐ろしいくらいにパワフルな焼き物を作り上げる言葉を発しないおばさん、ひたすらと自分の顔に粘土を塗りまくるおじさん、自分で呼吸ができないため動くこともままならない患者たちの端々に現れる動き、施設の患者同士のちょっとしたいがみ合い、この施設を出ようと意思表示をする息子と年老いた父との平行線を辿る話し合い、そしてその裏に感じられる施設のスタッフたちの献身的な努力。ほとんどの登場人物がこの施設に開設当初から暮らし続けている。おじさん、おばさんと僕は書いているがもう老齢にさしかかった人々だし、その親となると残りの人生も僅かだ。そこに新しい人々も加わってくる。
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 正直、第二びわこ学園の施設の設備状況は満足であるとは思えない。その辺の総合病院やそういった団体が運営するケア施設の方がはるかに素晴らしい設備を持っていると思う。でも、そういう所では受けいれられることが出来なかったから、極端な言葉を使えば、厄介払いされた人々が見つけた終の棲家かもしれない場所のひとつがこの第二びわこ学園である。この場所で彼らと家族は生きる方向を見つけ、この作品を通して彼らが示す行為に僕らは笑い、考えさせられ、勇気付けられもする。色々な意味で考えさせられ、そして勇気付けられる素晴らしいドキュメンタリー作品です。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「重症心身障害児(者)施設 第二びわこ学園の日々」
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 カメラに向かって道を進んでくる老若男女たち。ある者は車椅子に乗り、ある者は寝たきりのまま、進んでくる。これが滋賀県野洲市にある第二びわこ学園に暮らす患者たちである。重症心身障害児(者)と判定された彼らはここでスタッフ、家族たちの献身的な努力の下で暮らし続けている。例えば、自立呼吸が困難な少年は母親の意志により大学病院からここに移ってきた。彼は眼を動かすことしか出来ないが、明らかにここに来て、変わったと母親は感じている。ある患者は何十年間も暮らし続けてきたここを出ようと考えているが、親と対立している。ある患者たちは歌や陶芸など芸術方面に圧倒的な才能を示している。作品はこの第二びわこ学園の姿を追い続けていく。  
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