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『スタンドアップ』

配給:ワーナー・ブラザーズ映画
オフィシャルサイト:
http://standup-movie.com/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
シャーリーズ・セロン
エル・ピーターソン
トーマス・カーティス
フランシス・マクドーマンド
ショーン・ビーン
ウディ・ハレルソン
ジェレミー・レナー
リチャード・ジェンキンス
シシー・スペイセク
ジェイムズ・カーダ
ラスティー・シュウイマー
リンダ・エモンド
ミシェル・モナハン
監督:ニキ・カーロ
製作:ニック・ウェクスラー
原作:クララ・ビンガム
   ローラ・リーディ
脚本:マイケル・サイツマン
撮影:クリス・メンゲス
編集:デヴィッド・コールソン
美術:リチャ−ド・フーバー
衣装:シンディー・エバンズ
音楽:グスターボ・サンタオラヤ

2005/アメリカ/シネマスコープ/
SR、SRD、DTS、SDDS/2時間4分


イントロダクション
「当たり前のように女性蔑視が蔓延る鉱山の職場。この環境を変えようとひとりで立ち上がった女性。アメリカのセクシャル・ハラスメントへの認識、法律を変えた事件を素材に描く、力強く、感動的なヒューマン・ドラマ」
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(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc.
  昨年(2004)に日本でも公開され、大きな反響と感動を沸き起こした、女性連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの真実の姿を描いた作品『モンスター』でアカデミー賞最優秀主演女優賞、ベルリン国際映画祭銀熊賞などを受賞し、それまでの美貌を売りとした女優から演技派女優としての一歩を踏み出したシャーリーズ・セロン。その『モンスター』の後に公開された『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』、『トリコロールに燃えて』などでも全くタイプの違う印象的な役を演じていた彼女の女優としての新たな一歩を示した作品が公開される。それが今回紹介する『スタンドアップ』である。
  シャ−リーズ・セロン演じる物語の主人公は度重なる夫の家庭内暴力に悩まされている主婦である。ある日、彼女は子供を連れて家を飛び出し、北ミネソタの小さな町にある実家へと向かう。彼女は自分の境遇を話すが、その訴えは両親にも受け入れられない。鉱山で潤う、保守的なこの町では夫のために我慢をするのが当然とされているのだ。実家にも居辛くなった彼女は独立を考え始めるが、先立つ資金がない。そんな彼女に耳寄りな情報が舞い込む。それは偶然再会した旧友がもたらした、金を稼ぎたいのなら鉱山で働けばいいというものだった。旧友も鉱山で働き、大きな収入を得ていたが、そこでは父も働いていた。彼女はすぐに鉱山で働き始めるが、そこには余りにも過酷な状況が存在していた。それは女性を人間と認めることすらしない差別であった。
  シャーリーズ・セロン演じる主人公はこの過酷さを越えた労働環境に、閉鎖的な町の中で果敢に挑んでいく。数少ない同僚の女性たちは自分の生活が荒らさされることを恐れ、彼女に「NO」を突きつける。実際、彼女は謂れのない噂を流され、子供たちとの関係も悪化していくなど生活環境を脅されていく。
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(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc.
  この作品のベースとなったのはクララ・ビンガームとローラ・リーディー・ガンスラーによる「CLASS ACTION:THE LANDMARK CASE THAT CHANGED SEXUAL HARASSMENT LAW」(「階級闘争:セクシャルハラスメントに関する法律を変えた象徴的なケース」)という1冊のノンフィンクションだった。この本は1984年にアメリカ国内で初めて職場でのセクシャル・ハラスメントに対し、女性従業員が大きな勝利を収めた戦いのノンフィクションである。映画が現実の出来事のどこまでを汲み取り、どこまでを脚色化していったのかは原作を読んでいないため分からないが、舞台が鉱山であること、この判例をきっかけにセクシャル・ハラスメントに関する法令、規定の制定が加速化していったこと、そして鉱山の現場のあまりにも酷い差別という落としてはならない現実はきちんと押さえられている。ただ、クラレンス・トーマス判事の連邦最高裁判事就任を巡って起きたアニータ・ヒルへのセクシャル・ハラスメントを巡る問題の聴聞会の模様のTV中継が放映されているところを見ると時間的なずれはあえて生じさせているようだ(物語の始まりは1989年だったはずだ)。
  監督は『クジラの島の少女』のニキ・カーロ。「『モンスター』の感情表現に感動し、この役はシャーリーズ・セロンしか考えられなかった」という監督に対し、セロンも「『クジラの島の少女』に感銘を受け、エージェントにニキ監督の次回作が何であろうと会って話せるようにと頼んでいた」という。相思相愛ともいうべき関係が生み出した素晴らしい出会いはこの素晴らしい内容の作品へと繋がっていった。それはひとりの女性が自らの権利のために立ち上がるという物語であるのだが、この作品も古い因習と戦った『クジラの島の少女』もニキ監督は「“女性映画”とは考えず、尊厳を持つことが出来る場を獲得するための人間の物語だからこそ、語られる必要があったのだ」と語っている。彼女の言わんとすることは作品を観てもらえばきっと分かるはずだ。
  出演は主演のシャーリーズ・セロンの他に、フランシス・マクドーマンド、シシー・スペーシーというアカデミー賞を受賞している女優陣、ショーン・ビーン、ウディ・ハレルソン、ジェレミー・レナー、リチャード・ジェンキンズという実力派にミシェル・モナハンなどの若手俳優が揃った。
  「私の生活こそタフよ」という啖呵をきったようなセロン演じる主人公の台詞が響き渡る予備審問が行われている法廷。作品はこの法廷シーンでの質問と彼女が経験してきたことが重なっていく形で構成されている。過去の出来事はほぼ時系列的に進んでいき、ここに現在の法廷での執拗な汚い質問が重なってくる。最後まで観てもらえれば分かるが、この演出が映画の流れとして非常にうまく機能している。
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(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc.
  「私の生活こそタフよ」と言う主人公の人生は夫の暴力に悩まされ、生活のために働いた鉱山では女性を男の玩具のように扱う過酷なセクシャル・ハラスメントに直面し、この法廷では訴訟とは関係のないことまでも洗いざらいにされる言葉の暴力を浴びている。家庭内暴力、職場の鉱山、法廷とどのシーンもが主人公を容赦なく責めるのだが、その中でも圧倒的なのはやはり鉱山のシーンだ。雇用に際して責任者から「君たちは男の職を奪っているんだ」と断言され、支給される食事の中にバイブレーターを入れるという悪戯をされたり、逃げ場のない所へ追い込まれ、レイプされそうにもなる。胸や腰、尻へのタッチは当たり前だ。女性専用のトイレもないし、トイレの時間も男性と同様(実は取らせてもらえない)、挙句の果てにはそのトイレで、ロッカールームでとんでもない暴挙にあう。男から出てくる言葉はどうしようもない差別的なものばかり。職場では圧倒的に少数派の女性たち(比率は1対30)は「泣き言をいうと男の思う壺になる」と彼女をたしなめるが、その状況に耐えられない彼女は様々な場面に訴えでる。そうなると大人になりきれない男たちの嫌がらせは更にエスカレートしてくる。現実はもっと、更にひどかったの間違いないのだが、こうした部分をこの作品は容赦なく描いていく。正直、それは相当の嫌悪感をもよおすほどなのだが、役者陣の演技が、展開がスクリーンから眼をそらすことを許さない。
  ニキ監督が惚れこんだ感情表現はもちろん、このためにがっちりとした肉体も作り出したであろうシャーリーズ・セロン、難しい役どころを見事に演じるフランシス・マクドーマンド、シシー・スペーシー、ショーン・ビーン、ウディ・ハレルソン、ジェレミー・レナー、リチャード・ジェンキンズ ・・・・ 出演している役者たちは本当に素晴らしい。シャーリーズ・セロンに関してはこの作品で女優としての更なる一歩を歩み出したのではないだろうか。
  エンディングは分かりきっているが、圧倒的な力強い感動に満たされる。そしてこの感動はグローバリゼーションなどでその労働環境の悪化や格差が大きくなっている全ての労働者たちへの力強いメッセージにもなっている。オスカーの有力候補といわれてされているが、それも納得の作品だ。ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「自分と子供たちの生活を確立するために、ジョージーは男尊女卑の最たる職場である鉱山で働き始める」
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(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc.
 夫の度重なる暴力に耐えかね、ふたりの子供を連れて家を飛び出したジョ−ジーは故郷の北ミネソタの町にある実家へと戻ってきた。彼女は事情を話すが、両親は耐えろなどと助言するばかりで、彼女の肩を持たない。それには保守的な町であることや、彼女が10代でシングル・マザーになったという事情が介在していた。両親も当てに出来ないジョージーは自らの手で自立して子供たちを養うことを決意し、美容院で働き始め、そこで旧友のグローリーと再会する。グローリーは「お金を稼ぎたいなら、私も働いている鉱山で働けば」と彼女に勧める。同じ鉱山で働くことになる父親は労働環境の劣悪さから猛反対をするが、独立を目標とするジョージーは耳を貸さない。そして鉱山で働き始めたジョージーや女性には容赦のない性差別的行為が襲い掛かる。それを先導していた男のひとりは彼女の高校時代の恋人だった。
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