「パニック障害と診断された男は新興宗教にのめりこむ。気付いた彼女は彼を現実に戻そうとするが」
10月、電車の中で過呼吸の発作に襲われた北川は同棲生活を続ける恋人の志津と共に病院へ向かい、パニック障害と診断される。北川は外での仕事が不可能となったため、在宅で出来るパソコン入力の仕事を見つける。ソフト購入にお金がかかるが、北川はそれをやってみようと思う。一方の志津は会社が移転するため、転職を考え始めていた。
1月、会社を辞めることになった志津が送別会を終え、夜遅くアパートに戻ると北川の姿がなかった。部屋には今までなかった黄色いソファーが置かれ、朝戻ってきた北川の手首には数珠のブレスレットが巻かれていた。問い詰める志津に対し、答える北川。でもそこには違和感が生じ始めていた。仕事のセミナーに通い続ける北川、再就職先が決まらない志津はセミナーが新興宗教であること、北川がそこにのめりこみ始めている事に気付き、現実の戻そうとするのだが。 |