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『サオヤの月』

配給:アルゴ・ピクチャーズ
オフィシャルサイト:
http://www.saoyanotsuki.com/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
幸子
藤川佳三
監督、撮影、編集:藤川佳三
撮影:幸子
   藤田功一
音楽:大熊ワタル
2005/DV/カラー/1時間36分

イントロダクション
「別れた夫婦の間に広がる溝。再び向き合った夫婦の中に生まれる何か。元妻への未練からカメラを手にした男の私的ドキュメンタリー作品」
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 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」という会計学を扱った新書がベストセラーとなっている。確かに、街中を“さお屋、さおだけ。2本で1000円。30年前と変わらぬお値段です。”というカセットテープの音声をスピーカーから流しながら、徘徊しているトラックに馴染みのある方は多いのだろう。そして、誰が買うんだろうなどと思っていたりするのではないだろうか(買ったことあるのですが、うまくできています)。今回紹介する『サオヤの月』は訳あって、さおだけ屋を営む男を主人公とした、ドキュメンタリー作品である。
 本のベストセラーにあわせて、さおだけ屋を主人公とした物語なんて、グッド・タイミングというよりも狙いすぎじゃないかと感じる方もいるだろう。でも、この作品はそういったさおだけ屋の生活を捉えた作品ではない。たまたま、この作品の主人公で監督でもある藤川佳三がさおだけ屋を営んでいたというだけだ。
 藤川佳三は自主制作映画からピンク映画の世界に足を踏み入れ、石井聰亙、工藤栄一、瀬々敬久、アレックス・コックスなどの監督作品の助監督を経験してきた。本来ならそのまま映画の世界で頑張り、自分の監督作品を作り上げたのであろうが、彼は映画の世界を離れ、さおだけ屋の世界に入っていく。それは助監督、映画の現場では家族を養えない、食べていけないという切実な問題からだった。こうして始めたさおだけ屋が思いの他商売になったので(先の本の中では潰れない理由をそれが“副業”だからと書いてあったが)、その結果、『STILL LIFE』という作品を自主制作。この作品は2001年の“ぴあ・フィルム・フェスティバル”に入選を果たした。だが、その間に家庭は崩壊し、協議の上での離婚という道を辿ることになる。
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 この作品『サオヤの月』が描くのは藤川監督の離婚した妻、離れて暮らす子供への未練、やり切れぬ想いである。作品の冒頭で監督は「この未練に対して、映画を使って向き合おうと思った。」ということを語っている。そして、デジタル・カメラを抱えて、別れた妻子の暮らすアパートへと飛び込んでいくのだ。『STILL LIFE』という作品に対して監督は「その当時の結婚生活の虚しい気持ちがそのまま出たような映画になってしまった。空洞の映画、人と人が交わらない映画だった。」と語っている。その反省から「次の映画は直接的な、生の感情がむき出しになったものを作ろう。」と考えたという。それがこの作品『サオヤの月』なのだ。
 別れた妻と子供たちが暮らすアパートへデジタル・カメラを抱えて、飛び込んだ監督は妻にそれを向け、自分の納得できない想いを話すが、いきなりカメラを向けられれば、当然怒る。でも、訥々と彼女は回答し、語り始めていくのだ。そして、一緒の生活をし、なぜか、家族の思い出の地である四国のキャンプ場へと向かう。もちろん、さおだけの行商をやりつつだ。しかも監督の実家にまで向かってしまう。互いに思っていることを吐き出し、新たな関係が構築できそうな雰囲気の出てきたところで、監督は復縁を申し込む、こうした過程をカメラはひたすらに追い続けていく。
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 書いているだけでも相当に痛い作品だ(多分、読んでいる方もそうだろうが)。壊れちゃった夫婦がそれぞれの想いを訥々と語る。「皮膚が受け付けない」、「中で出しちゃダメと言ったのに出した(そして二人目が出来た)」など様々な過去の出来事を語る元妻に対して、男は「ごめん。憶えていない」。元妻が出来事を話すのに対して、男は理屈。そんな妻の顔をカメラはクローズアップで捉え続ける。その顔が明るくなるのは子供の話しをしているときだけだ。ま、関係のない人には「こんなプライベートな映画を公開するんじゃない!胸糞悪い!」だけかもしれないが、その感情は共有しつつも自分自身が痛すぎるのだ。この作品が描くのは向き合ってこなかった、逃避してきたという行為の代償であり、それをやってみることにより、自分自身の過去を清算し、先へ向かって一歩でも脚を進めるということだ。捉えようによってというより、間違いなく、男の身勝手な作品である。だから、別れた妻は「映画では、私は、彼の話を聞いた。聞かれたことに答えた。それだけです。」となるのは仕方ない。他人の家庭の覗き見かもしれないが、あまりにも赤裸々、小細工がないゆえに、様々なことを考えさせられる夫婦、家族の物語となっている。デート・ムービーにはお勧めしませんが、多少なりとも関心があるなら、ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「未練から男はデジタルカメラを持って、別れた妻子の元へと向かう」
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 さおだけ屋として生計を立てている藤川佳三。彼は離婚した妻と子供たちに未練とやりきれなさを残していた。どうしてこうなったのか、その理由を知るために東京へと戻った彼は別れた妻子の暮らすアパートへデジタル・カメラを片手に乗り込む。最初はほとんど語らず、罵倒するだけの元妻だったが、次第に重い口を開き、その想いを語り始めていく。
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