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『ロバと王女』

配給:セテラ・インターナショナル
    ハピネット・ピクチャーズ
オフィシャルサイト:http://www.cetera.co.jp/roba/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
カトリーヌ・ドヌーヴ
ジャン・マレー
ジャック・ペラン
デルフィーヌ・セイリグ
ミシュリーヌ・プレール

監督、脚本: ジャック・ドゥミ
製作:マグ・ボダール
復元版監修:
 アニエス・ヴァルダ
 マチュー・ドゥミ
 ロザリー・ドゥミ
原作:シャルル・ペロー
撮影: ギラン・クロケ 
衣装:パース&ジット・マグリーニ
音楽: ミシェル・ルグラン

1970→2004/フランス/カラー/
1:1.66/ドルビーSR/1時間29分

 


イントロダクション
「今までリバイバル上映もソフト化もされていなかったジャック・ドゥミ監督の美しく楽しいミュージカル作品がデジタル修復されて遂に公開」
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(C) Cine-Tamaris
 もう10年以上前になるのだろうか、若者を中心にフレンチ・ブームとも呼ぶべき波が沸き起こったことがある。アニエスbのボーダーTシャツやカーディガン(フロントボタンで丸首)を着た、今は亡き雑誌「オリーブ」少女たちを中心に(これは思い込みかもしれない)、ジャック・タチ、セルジュ・ゲンズブール、ジーン・セバーグ、ジャン=リュック・ゴダールなどが持て囃された、そんな時代があったのだ。中心となったのはファッションとしての音楽、映画であり、その中から様々な作品が再発見されてきた。例えば、現在(2005.10下旬)レイトショーでリバイバル公開されているゴダールやエリック・ロメールなどの監督が集結したオムニバス作品『パリところどころ』も日本ではその頃に劇場初公開された作品だ。そういった中で熱狂的な支持を受けた作品のひとつが『ロシュフォールの恋人たち』のサントラ。作品自体がリバイバルされるのはそれから数年を待たねばならないのだが、このサントラは本当に人気があった。この『ロシュフォールの恋人たち』を生み出したジャック・ドゥミ監督と音楽のミシェル・ルグランのコンビによる幻の作品が公開される。それが今回紹介する『ロバと王女』だ。
 「この監督にはこの音楽家」というオシドリみたいなコンビがある。最も有名な例ではフェデリコ・フェリーニとニーノ・ロータ、スティーヴン・スピルバーグとジョン・ウィリアムズなんてところが挙げられる。この作品のジャック・ドゥミとミシェル・ルグランも正にそういったコンビの代表格である。そして、彼らが最高のコンビネーションを見せるのが、先の『ロシュフォールの恋人たち』、『シェルブールの雨傘』、この作品『ロバと王女』のジャック・ドゥミ流のミュージカル映画3部作なのである(これに結果的に遺作となった『思い出のマルセイユ』を加えてもいいだろう)。
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 ジャック・ドゥミ流のミュージカル映画の真骨頂といえば、その第1作目となる『シェルブールの雨傘』(1963)だろう。台詞が全て歌で進行していくという実験的な試み(これについていけない方も多いはず)にも満ちたこの作品は今でも彼の代表作とされている。第2作目の今ではこちらの方が評価が高いかもしれない『ロシュフォールの恋人たち』(1966)ではミュージカル映画の大スターであるジーン・ケリーを配し、台詞と歌をうまく融合。そしてこの作品『ロバと王女』(1970)が第3作目となるわけだ。この3作に大きく共通するのはミシェル・ルグランの音楽だけでなく、主演が可愛く、美しいカトリーヌ・ドヌーヴであること、そしてポップな色彩感覚に溢れた映像という部分だろう。ルグランの音楽にのり、ドヌーヴに魅了され、その色彩感覚に喜ぶ。こういった楽しみに満ちているのが、ジャック・ドゥミのミュージカル3部作である。
 この作品『ロバと王女』は「眠れる森の美女」、「長靴をはいた猫」などの作品で知られる17世紀に活躍したフランスの詩人シャルル・ペローによる童話(御伽噺)「ロバの皮」を映画化したもの。監督のこの童話の映画化への思いは相当に強く「(御伽噺と映画に魅了されていた)子供のときから、いつかは「ロバの皮」を映画に撮るつもりでした。」と語っている(当初は『シェルブールの雨傘』の後に撮る予定の企画だったという)、。なぜ、「ロバの皮」を、との問いかけには「なぜなら、王女が父親に結婚を申し込まれてもことわるから。なぜなら、ロバが馬鹿みたいに黄金の糞をするから。」などとこの作品の内容を説明しながら「だからこそ、『ロバと王女』はみんなのために絶対に語られなければならない。」と語っている(それ程作品にほれ込んでいるということであり、ジャック・ドゥミのユーモアでもある)。
 日本では1971年の公開以来、リバイバル上映もなく、ビデオ、DVDという形でソフト化されたこともない幻の作品だったが、ジャック・ドゥミの婦人であり、最近ではドキュメンタリー作品『落穂拾い』が印象深かったアニエス・ヴァルダ(『5時から7時までのクレオ』)が俳優、映画監督としても活躍する息子のマチュー・ドゥミ、娘のロザリー・ドゥミと共に最新のデジタル技術による修復を監修し、作品は当時の美しさを取り戻し、2004年のベルリン国際映画祭で上映され、大きな反響を巻き起こした。この反響が日本での公開へと繋がったのだ。
 ジャック・ドゥミ監督の作品のデジタル修復は『シェルブールの雨傘』などに続くもので、こうした作業は今後も続けられていくという。実は日本ではジャック・ドゥミの作品にはリバイバル上映はもちろん、ソフト化されていないものも多いので、今後も楽しみである。そして、他の作品でもこうした動きが活発になれば(実際そうなっているが)、映画の面白みもより深まるのではないだろうか。
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 とにかく魅惑的な作品だ。フランスでは公開当時200万人以上を動員したというが、大人も十二分に楽しめる御伽噺となっている部分、ポップな映像の色合い、ゴージャスでキュートな衣装、それを着るカトリーヌ・ドヌーブなどの役者たちを考えれば納得だ(新作も公開されるあのシリーズも見習って欲しいものだ)。ストップ・モーションを多用したりと美しい映画的な手法にも満ちているのだが、個人的に最も印象的だったのは父に結婚を迫られた王女がロバの皮をかぶり、隣の国へと逃げ込んでいくシーンだ。それまで歌に彩られていたのにここでは王女が草地の中を駆け抜けていく音だけになり、それが寄りと引きのカメラワークによるストップ・モーションで描かれていく。王女が逃げ出し、隣の国では最下層の身分となってしまうということ、そこへの運命の架け橋をこのように描いたこと、その美しさには底知れぬ感銘を受けた。このシーンは正に映画でしか描けないものだろう。
 この作品は映画がみんなの娯楽で、圧倒的な影響力を持っていた時代に生まれた美しく、楽しい作品だ。そうした息吹がきちんと伝わってくる、それだけでも映画館にいる幸せが味わえるのではないだろうか。今年はジャック・ドゥミが亡くなってから15年目に当るという。彼のファンはもちろん、知らない映画ファンもぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「父親である王様に求婚された王女。数々の無理難題も叶えられた末に彼女は・・・・」
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(C) Cine-Tamaris
 “青の国”で何よりも大切にされていたのは山ほどの宝石を生むロバ。このロバのおかげで“青の国”には繁栄がもたらされていた。
 ある日、“青の国”のお妃が病のために亡くなってしまう。お妃が王様に残した遺言は「自分より美しい人と再婚してください」ということ。王様には家来から様々な女性が紹介されるが、亡くなったお妃を超える美貌を持つ女性はいない。しかし、王様はそれにかなう女性をひとりみつける。それは自らの娘である王女だった。
 父からの求婚に困惑した王女はリラの妖精に相談。妖精のアドバイスに従い、父親に無理難題を願っていくのだが、全て叶えられてしう。そして、最後に大切なロバの皮が欲しいとお願いするのだが。
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