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『Rhyme&Reason〈ライム&リーズン〉』

配給:ナウオンメディア
オフィシャルサイト:
http://www.nowonmedia.com/rhymeandreason/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ウータン・クラン
ナズ
Qティップ
Dr.ドレー
バスタ・ライムズ
トゥパック
ビズ・マーキー
サイプレス・ヒル
アイス・T
KRS・ワン
ショーン・パフィ・コムズ
ヘビー・D
クレイグ・マック
レッドマン
エリック・サーモン
ソルトゥン・ペパ
監督:ピーター・スパイラー

1997/アメリカ/1時間31分


イントロダクション
「ヒップホップとは何なのか、最前線で活躍するアーティストの声で綴ったヒップホップの最盛期ともいえる90年代半ばまでを捉えたドキュメント」
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(C)Rhyme & Reason, Inc.
  ヒップホップを題材にした映画となるとアイス・キューブなんかが主演したBムービー、エミネムの『8マイル』なんてところを思い出す人が多いかもしれない(前者は単なる伝統的な黒人アクション・ムービーだったりするのだが)。僕自身が思い浮かべたはグラフティとブレイクダンスに焦点を当てた『ワイルド・スタイル』、ヒップホップのMCの吐き出す言葉とラッピングに焦点を当てた『フリースタイル:アート・オブ・ライム』となんて作品だった。どちらもドキュメントで、相当にマニアックな部分もあるのだが、ヒップホップ、ラップとは何ぞやと思っていた身としては勉強にもなった作品だった。今回紹介する『Rhyme&Reason〈ライム&リーズン〉』もそうしたヒップホップというものを理解するには最適な作品となっている。
 この作品『Rhyme&Reason〈ライム&リーズン〉』が描くのはヒップホップの歴史、ヒップホップとは何ぞやという部分である。作品が描くのは街角での楽しみ、自分自身の表現から始まったヒップホップが内輪もめともいうべき西と東の抗争に巻き込まれ、トゥーパック・シャクールが亡くなる90年代半ばまでである。こうした状況の証言をしていくのはウータン・クラン、Qティップ、ローリン・ヒル、アイスT、ナズ、Dr・ドレー、サイプレスヒル、バスタ・ライムズ、トゥパック、ノートリアスB.I.Gという現場の最前線で活躍するアーティストたちだ。
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(C)Rhyme & Reason, Inc.
  『フリースタイル:アート・オブ・ライム』でも描かれていたが、ニューヨークのブロンクスの街角でお手製のPAにターンテーブル、そしてマイクという形で始まった楽しみ、パーティーとしてのヒップホップは急速に若者を中心とした黒人の生活へと浸透していく。それは人間が生まれながらにして持っている“自己表現”と求め続ける“楽しみ”が融合したものだった。楽しみの延長として、自分たちの家からかき集めた機材で“自己表現”をしていくというのがヒップホップだったのだ。だから、ヒップホップはラップだけでなく、DJのスクラッチ、一世を風靡したブレイク・ダンス、キース・ヘリング、バスキアなどの才能を生み出したグラフティなども内包している。極端な言い方をすれば、生き方やスタイルがヒップホップか、そうでないかを決めているのだ。そこには明確な境界線はなかった。だからこそ、どんどんと浸透していったヒップホップは犯罪が日常である層からはその悪名を高めたギャングスタ・ラップを生み出し、そこに商売を見取ったレコード会社などのビジネスサイドは商品としての売出しを図った。これがヒップホップというものがラップのみの偏った受け取られ方、完全な分離に拍車をかけた、その結果がろくな契約も結ぶことができず、使い捨てにも近い状況だという証言も出てくる(ベンツの値段は知っていても自分の価値は知らないという痛烈な発言が印象的だ。結局、彼らの怒りはレコード会社や中間業者に向かう。この構図はずっと変わっていない気がする)。完全に商売となったラップの業界の青田買い的なコンベンション、そこを取り囲むパトカーというヒップホップが生み出した異様な風景。ドラッグ、銃というこれもヒップホップに付きまとう問題。そして家族と黒人社会とヒップホップの将来までをこの作品は捉えていく。
  作品が制作されたのが1997年ということで、トゥパックの死から新たに結束し、次の世代、黒人社会のためになんとかやろうというメッセージで作品は終わっている。その後のヒップホップを考えると、そこに影響され生まれてきたR&Bが全盛になり、エミネムなどの黒人でないラッパーが活躍するなど、裾野は確実に広がっている。日本でも1997年と現在を比べると、多少はアンダーグラウンド感があったラップが当たり前のようにチャートをにぎわしている。ラップ、ヒップホップは当たり前の文化になった。でも、ここに描かれているラップ自体は不思議なのだが、この作品が撮られるまでがピークであった感が強い。それ以降も良質な作品が生み出されているが、どうしてもそう思わざる得ないのだ。となるとこの作品はラップにとって最良と最悪の混在した最高の時代の証言集となるのかもしれない。
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(C)Rhyme & Reason, Inc.
  作品を監督したのはピーター・スパイラー。日本未公開ながらも、この作品以降も何本もの興味深いヒップホップのドキュメントを製作している。
  映画自体はヒップホップ、ラップは抑圧された人々の代弁なのだという発言で幕を閉じる。それは21世紀を迎えるにあたってのひとつの明確な意思表示であり、根っ子を忘れるなという発言でもある。ヒップホップは自分たちのそばにあるリアルな現実を歌い、それに立ち向かっていく手段であった。この作品が訴えるのはそこの部分だ。そしてその表現は今も世界中で続いている。それもこうした時代があったからだ。結果的にヒップホップのひとつの時代を捉えることとなった作品『Rhyme&Reason〈ライム&リーズン〉』、ヒップホップに興味があるなら、ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「ヒップホップの歴史、そこに対する数々の証言」
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(C)Rhyme & Reason, Inc.
  70年代後半、ブロンクスの一角でのパーティーから始まった後にヒップホップと呼ばれることになるムーブメント。この作品はそのヒップホップを現場の最前線で活躍するアーティストたちの声を通して捉えていく。パーティー・ラップとして始まったラップが、なぜ、ギャングスタ・ラップを生み出したのか。彼らがラップをする理由とは。黒人コミュニティーとは。様々なヒップホップの背景に作品は迫っていく。
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