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『モンドヴィーノ』

配給:シネカノン/クロックワークス
オフィシャルサイト:
http://www.mondovino.jp/


キャスト スタッフ データ


監督、製作、撮影、編集:
ジョナサン・ノシター
製作:エマニュエル・ジロー
2004/フランス、アメリカ/
カラー/1:1.85/SRD/2時間16分

イントロダクション
「多くの人々を虜にするワイン。地域色が豊かなはずなのに、その裏で進んでいるグローバリゼーション。ワイン好きにはあまりにも衝撃的なドキュメンタリー作品」
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  ちょっとその辺りの大きなスーパーに足を運べば、産地も種別も様々なお手軽な価格のワインを選べるようになってきた。これはあのボジョレー・ヌーヴォの狂騒、赤ワインのポリフェノールが体にいいといった何度にもわたる“ワイン・ブーム”の末、日常的にワインを飲むということが定着した結果である。ワイン・バーも盛況なようだし、ワインの薀蓄を語る人々、ワイン・コレクター、ラベル・コレクターも確実に増えてきている。そんなワインに関するドキュメンタリー作品が公開される。それが今回紹介する『モンドヴィーノ』である。
 ワインのドキュメンタリー映画となれば、世界中に散らばるワイナリーの様子、ビンテージ・ワインの世界、その歴史、楽しみ方などを描いたのではないかと想像する向きも多いのではないだろうか。確かにそれはワイン好きの視野を広げる上で面白いだろう。でも、そんな内容のものはありふれている。この作品『モンドヴィーノ』が描くのは多分、ほとんどの人が知らないワイン業界の内幕、大きな一端ともいえる物語である。
 この作品『モンドヴィーノ』が描くものをひと言で表せば、“グローバリゼーションの波にさらされているワイン業界”ということになる。“グローバリゼーションの波にさらされて”フランスやイタリア、ドイツ、アメリカのカリフォルニアだけでなく、世界の辺境からのおいしいワインが届けられるようになってきた。新しい産地のワインはブランドものよりも相対的に安価だから、これはいい話だ。でも、“グローバリゼーションの波にさらされて”ワインの味などが均一化しいるとなったら、どうだろうか。おいしいとはいえ、あまりいい気分はしないのではないだろうか。今まで必死になって憶えてきたワインの薀蓄も吹き飛ぶのではないだろうか。実はこの作品はそこにメスを入れている。
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 物語はブラジルのシーンから始まる。木に登り、ココナッツを採る人々。それがワインになるのと一応聞いてみるが、もちろんなるわけがない。その後、フランスで重要な人物が登場する。“空飛ぶワイン屋”ことワイン・コンサルタントのミシェル・ロランである。その名の通り、世界中を飛び回る彼はワイナリーの生み出すワインを調整する。それにより、そこのワインの売り上げは飛躍的に伸びる。でも、それを画一的だと批判する声も後を絶たない。そんなひとりにフランスのランドッグ地方で絶品のワインを生み出した人物がいる。実はそのランドッグ地方はアメリカのカリフォルニアを拠点とするワインブランドでもあるモンダヴィ一族が進出するという話に揺れていた。モンダヴィというブランドを欲しがる一派、アメリカナイズ、環境破壊などを警戒する一派が対立し、結果的にモンダヴィは撤退を余儀なくされていた。ここでは失敗したがモンダヴィは世界中のワインの産地に進出し、土地に根ざしたのではなく、モンダヴィ・ブランドの味を供し続けている。このモンダヴィにもミシェル・ロランは関わっている。どうして、こういうことが起こってしまうのか。その鍵を握る重要な存在がワイン評論家である。その代表格であるロバート・パーカーが高い評価を下したワインの価格は必然的に高くなる。彼はワインをブランドではなく、試飲による味で判断したと語るが、実は彼好みのワインの色と味があり、それがミシェル・ロランがコンサルティングした傾向のものであるという批判もある。構図的には物凄く分かりやすいと思う。流行、権威、おいしいと称されるワインの流れがあり、そこに合わせるようなワインが生み出されているということなのである。
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 この作品中に良く出てくる言葉に“テロワール”というものがある。プレス・シートでは“土地風味”と翻訳されている。これの意味するところは“ワインとはその土地である”、“そこの土がワインを生み出す”ということだ。不思議なことなのだが、このワイン=テロワールということはワインの味を画一化しているといわれるミシェル・ロラン、モンダヴィ一家、ロバート・パーカーですら当たり前のように語っている。それが“ワインの命”なのだと。じゃ、彼らがある種人為的に作り上げているワインとは何なのだろうか、ぶち当たってくるのはこの疑問である。ワイン雑誌の編集者が冗談めかしながらも「(恩義があるから)ここのワインのポイントは少しUPしといたよ」と語ったり、あるワイン醸造所で働く女性が「同じ味のワインを作って、ラベルだけメーカで変えろと指示された」とぶちまける。ここまで喋ってしまって、見せてしまっていいのというシーンがそこかしこに登場してくる。そんな中、作品には“テロワール”を大切にするワインを尊重しようという傾向がみえる。なんといっても、モンダヴィの本社を訪れるときに流れる曲がキンクスの「エイプマン」なのだから(エンディングテーマでもある)、その意図はある種明白だ。でも、そこを声高には訴えない。実際、ミシェル・ロランの功績でまずいとされた地域のワインが変貌し、富をもたらしてもいるのだ。ヨーロッパ、北米、南米を旅しながら追っていくワインの世界、作品を観ると明らかにワインに関する認識が変わるし、世界との関係も掴めてくるはずだ。ちなみに、ラストはココナッツのブラジルで一攫千金を夢見て、ブドウ畑を耕す男の映像で終わる。次の次くらいは本当にブラジルかもしれないのだ。間違いなくワイン感が変わる面白い作品です。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「あのワインの味と評価は誰が下すのだろうか。ワインの世界とは何なのだろうか。」
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  フランスのボルドー。ベンツの後部に座りながら、ひっきりなしに電話を受ける男がいる。彼の名はミシェル・ロラン。世界をまたに駆けるワイン・カウンセラーである。彼のカウンセリングしたワインは売れるということから、依頼が絶えることがない。そんな彼のワイン作りに疑問を呈する声がある。彼のおかげで、ワインの持つテロワールがなくなった、画一的になったというのだ。彼のコンサルティングを受けながら、一大ワイン帝国を作った一家がいる。カリフォルニアのモンダヴィ一家。彼らは世界中の様々な地域のワインナリーを自分の下に納め、自分たちの色のあるワインを作り出している。ワインの評価を決定付けるワイン評論家という商売がある。その代表格であるロバート・パーカー。彼はミシェル・ロランがコンサルティングしたワインを高く評価するというのだが。様々な人物が関わりながら、世界のワインを巡る世界の物語は続いていく。
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