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『輝ける青春』

配給:東京テアトル
オフィシャルサイト:
http://www.kagayakeru.net/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ルイジ・ロ・カーショ
アレッシオ・ボーニ
アドリーナ・アスティ
ソニア・バルガマスコ
ファブリツィオ・ジフーニ
マヤ・サンサ
ヴァレンティーナ・カルネルッティ
ジャスミン・トリンカ
アンドレア・ティドーナ
リディア・ヴィターレ
クラウディオ・ジョエ
リッカルド・スカルマチョ
ジョヴァンニ・シフォーニーニ
カッミラ・フィリッピ
監督:
  マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
製作:アンジェロ・バルバガッロ
脚本:サンドロ・ペトラリア
    ステファノ・ルッリ
撮影監督:ロベルト・フォルツァ
編集:ロベルト・ミッシローリ
美術:フランコ・チェラオーロ
衣装:エリザベッタ・モンタルド

*第56回カンヌ国際映画祭
  ある視点部門グランプリ 受賞
*ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
  (イタリア・アカデミー賞)
  6部門 受賞

2003/イタリア/カラー/
ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル
/6時間6分


イントロダクション
「上映時間6時間。イタリアの普通の家庭に育った兄弟の生き方を描くことで見えてくる20世紀後半のイタリアの姿、様々な想いが重なる同時代的な物語」
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  馬鹿な話だが、それなりに意識して映画を観始めた頃、長い映画を観るのを楽しみにしていたことがあった。『旅芸人の記録』、『1900年』、『東京裁判』など内容はもちろんだが、長さ自体を堪能した作品も数多い(さすがに『SHOA  ショア』、『ゴダールの映画史』は劇場では観ていない)。2時間という枠がなんとなく出来上がっている今では、ドキュメンタリーも含めてもうそんな作品は出てこないだろうなと思っていたところに公開される超弩級の作品が、今回紹介する『輝ける青春』である。
  超弩級という表現は書いていてどうかなと思うのだが、この作品『輝ける青春』の上映時間は366分、1部と2部を合わせ6時間を越えるのである(もちろん、これにプラスして合間に休憩も入る)。この時間、長さを聞いただけで「観たい!」と熱望する方もいるだろうし、逆に完全に敬遠してしまう方もいるはずだ。一昔前の名画座での3本立てに匹敵する時間、午前に劇場に入り、終わったら晩飯だなという時間である。当然、劇場も1日1回しか上映することが出来ない。観ること自体が試練かもしれない。ま、間違いなく長さが話題、売りになる作品なのだろうが、そのことが作品の内容を超えてしまったら元も子もない。
  この作品『輝ける青春』が描くのは20世後半から21世紀にかけてのイタリアのある家族の物語である。その中心となるのは兄と弟というふたりの兄弟である。1966年、イタリアのごく普通の家庭に育ったふたりは大学生となっている。仲はいいものの、性格的には対照的な部分を抱えたふたりはそこ背負ったように対照的な人生を送る形になっていく。それは光と影という分かりやすいものではない。どちらもが光と影の部分を抱えながら、同じように光と影を抱えながら混沌としたイタリアの時代を生き抜いていくのだ。
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  作品はカンヌ国際映画祭のある視点部門グランプリ、イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞などヨーロッパの数々の映画賞を受賞しているが、その理由は長さではなく、共感である。結果的にイタリアの現代史に翻弄された兄弟たちの物語はイタリアはもちろん、ヨーロッパに暮らす人々にとってはあまりにも身近な物語なのである。ヒッピー的な生活、左翼運動、不況などに普通の人々は翻弄されながら50年にも満たない時代を通り過ぎてきたのだ。その場その場の出来事は重かったかもしれないし、すでに忘却の彼方になっているかもしれない。でも、この対照的になってしまった兄弟たちの生き方を示されることによって、観る側は自分たちの人生も振り返っているのだ。そう考えれば6時間は長いかもしれないが、必要な時間でもあったのだろう。
  監督は日本ではイタリア映画祭で上映され、絶賛を博した『ペッピーノの百歩』のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。作品の主人公である兄弟たちとほぼ同世代であるという監督は原題では『最良の青春』と翻訳されるこの作品のタイトルを『ソドムの市』で知られる映画監督ピエロ・パオロ・パゾリーニの詩集のタイトルから取っている。そこには「人生には成すべきことがあって、それはただ金を稼いで使うというのではなく、何よりも真の人間になろうとする」という思いを込めているという。
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  同世代のイタリア人ならば、時代と共に自分の立ち位置を感じることのできるこの作品、日本人にとってはそういった受け止め方は難しいだろう。しかし、この作品にも出てくる学生運動やヒッピーなどはそのままの感覚を当てはめることができるし、作品のひとつのキーになる“赤い旅団”は赤軍派などに重なってくるはずだ。その他にもオープニングに流れるアニマルズの「朝日のあたる家」などの音楽、デューク・エリントンの死を伝える新聞記事、アレン・ギンズバーグの詩集「吠える」、メキシコ・オリンピックの国旗掲揚の際に抗議を示したアメリカの黒人陸上選手たち、デヴィッド・ボウイのポスターなど端々に現れる時代のキーに様々な思いを馳せられるのではないだろうか。それは第二次世界大戦を経て、政府、社会に対して様々な疑問を発し、行動していた理想主義とも言うべき時代の出来事である。理想主義とその暴走ゆえに大きく揺れることもあったが、そこには監督が語る「人生には成すべきこと」が確実に存在していたのだ。この時代を知らない観客はそこの部分を考えてみればいいのかもしれない。
  ひとつの作品ながらも長さから1部と2部に分けられているパートでもこうした部分は明確になっている。時代に寄り添うように動き続け、翻弄される兄弟を描いた1部に対し、2部ではそうした時代に寄り添うという部分はなくなり、個人の物語へと変わっていく。これは理想主義が潰えてしまった結果、主人公が年齢を重ねた結果と考えることも可能だが、監督自身は最後にそうした理想主義に対して新たなプレゼントを用意している。もちろん、6時間という長さの終わりにあるこのシーンは胸を打つものがある。素晴らしい役者たちにも支えられた同時代史ともいえるひとつの家族の物語『輝ける青春』。ぜひ、劇場で味わってみてください。   

ストーリー
「ニコラとマッティオ。ふたりの兄弟の生き方はひとつの出来事を契機に変わり始める」
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  物語の始まりは1966年のローマ。ここに医学部に通うニコラ・カラーティ、文学部に通うマッテオ・カラーティという1歳違いのふたりの兄弟が暮らしていた。家族は父と母を含めて4人、普通の中流の家庭だ。兄弟は夜になると兄ニコラの仲間たちとダンス・パーティーに出かけたりしながら、楽しんでいた。
  ある日、兄弟は精神病院で不当な扱いを受けている少女ジョルジアと出会う。兄の大学の卒業も決まり、兄弟は仲間と共に旅に出ようとしていたが、それよりも先になんとかジョルジアを救い出そうと自らの手で行動を始める。仲間とは彼女を救った後に旅先で逢おうという約束を残していた。しかし、彼らの行動は失敗に終わってしまう。お互いにそのことを悔やみ続けるふたり。この出来事はその後の彼らの人生の分岐点となる。そして時代は理想主義から混乱の中へと向かっていく。
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